あなたを見ているときだけ世界は完璧だ

kolmeさんを応援するblogです。

Deep Breath 〜kolme大人の修学旅行2019in山口〜

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錦帯橋とkolmeさん

■序章

ただひたすら耐える日々の中で、僕は誇りを失い、知性も思慮もなくし、心を病みかけていたと思います。明け方の職場で翌日の稼動のために僅かな仮眠を取ろうとすれば、たちまち悪夢がやってきて、2時間も眠れず睡眠は終わります。食欲もなく、ただ圧力に耐える日々をなんとか生きていたのは、6/22と23日は何があっても絶対に休むと宣言していたからでした。辞めちゃえば簡単だよな、と何度も思ったけど、職場の仲間も大事だし、受験に挑んでる二人の娘に心配かけたくない気持ちもありました。家族や友達がいなければ、いっそ楽なのに…。
そんな日々を支えてくれたのは、紛れもなく瑠海さんでした。
「まっこいさん、できることを、精一杯やるの。どんなにそれが無駄に思えても、きっと誰かが見ててくれてるから」
電話会で彼女が僕にくれた言葉を、僕は呪文のように毎日繰り返していました。濁流に弄ばれるような日々でしたが、チームと上司が理解を示してくれて、僕はほぼ諦めかけていた二日間の休暇を手にすることができました。駅を出て、空港に向かう途上でも、メールやメッセンジャーで仕事絡みの連絡をチェックしてしまいます。僕は本当に、この旅行を楽しむことができるんだろうか。胸に重いものが凝り固まって、暗い気持ちになりつつ、くるりの「ばらの花」にすがっていました。思い切り泣いたり笑ったりしようぜ、と自分に語りかけました。

■山口へ

赤い電車を降りて空港に着くと、すぐにレグルス勢のみなさんに会いました。雨の羽田を飛び立って、山口宇部空港に降り立つと山口は晴れ。

新山口駅に向かうバスに乗ると、いつもの顔がいっぱい。現場の皆さんに会う度に、僕も現場の僕に戻れる気がして、少しづつ不安が和らぎます。新山口駅からはJR山口線湯田温泉に向かいます。suicaの使えない駅、券売機の軟券、スタンプの改札。ボタンを押さないとドアの開かない車両。二両編成の電車は、ホームが短すぎるために片方の車両しかドアが開きません。

ぶちうんさんに前回山口にきたとき(bringのリリースのとき、スタジアムで歌ったそうです)のお話を聞かせていただいたり写真を見せて頂いたりしながら、このタイムスリップしたような電車に揺られていると、「次の駅は係員がおりますので全てのドアが開きます」と誇らしげなアナウンスとともに目的地に到着しました。

湯田温泉はとても雰囲気のある温泉街でした。駅を出るとすぐに巨大な白狐の像があって、観光気分が盛り上がります。

写真を撮ったりしていたら、前日入りしていた皆さんや、遠隔地からこられている方々、もうみんなが降りてきて、テンションがさらに上がります。そして、どんどん晴れてくる空。集合時間が近づくにつれて、気持ちが高まってきます。これなら、大丈夫かもしれない、と思いました。

ホテルかめ福さんは、湯田温泉の繁華街の中にある、大きなホテルでした。温泉施設は宿泊者以外も利用できるように切り離されていて、期待が高まります。っていうか、kolmeの温泉旅行って、お風呂の数で宿を選んでるんではないかという疑惑が…。参院選を控えて、地域の政治団体のレセプション的なものも多数入っていて、経営的にもぐいぐい行ってる感じが伝わってきます。
ロビーに入ると、関西kolme会の面々を始め、総勢28名の参加者が集いました。
(丸坊主の野球部員みたいなひとがいるので、恐る恐る話しかけてみたら、twitter上で知ってる方でした。髪型変わりすぎ!)

■概要

今回のタイムスケジュールは以下の通りでした。
15:30 Welcome 部屋訪問
18:50 大宴会+スペシャルライブ
21:30 Bar time
翌朝の朝食は7-9時
09:15 岩国観光
昨年は別だった宴会とライブが統合されて、だいぶゆったりしたスケジュールとなりました。

そして、今年の新企画は「写ルンです」です。みもりさんのイラストステッカーがついた28枚撮り使い捨てカメラには、あらかじめkolmeさん全員ショットが一枚撮影されていて、さらに、旅行中の指定のタイミングではメンバーを撮影して良い、という企画です。お値段は5000円。ライブでソロチェキを撮れば2.5枚分のお値段ですから、割引率は90%以上です。安い!実際安い!
じゃあとりあえず2個…と思ったら、一人一個限りとのことでした。ざんねーん。

そして、昨年と同様、部屋割り、ライブと宴会の席、バスの席、明日の昼食の席が明記された参加者証が配布されます。
昨年は事前におたく同士で部屋割り希望を決めてフォーサイト社に提出していたのですが、今年は全くのランダムに任せました。結果、ぶちうんさんとkimura師匠と同室となりました。5人部屋の料金なのに、まさかの3人部屋。しかも気心の知れたお二人と同室ということで、いいことしかない入室となりました。

 

■Welcome 部屋訪問

入室時点ではまだ15:00前だったので、お部屋訪問までは微妙な間があります。とりあえず、スマホ充電用のテーブルタップを展開したり、部屋に用意されていたお茶と土地の銘菓を頂きつつ、同室のお二人と談笑したりしておりました。
などしていると、女性の添乗員の方がやってきます。
て「明るいところで撮影したいのでテーブル寄せます」
ぶ「あ、室内で撮るんですか?」
て「はい!」
昨年はお部屋の前まで訪問だったので、我々は完全に油断しておりました。広げかけた荷物をあわてて片付けたりしていると、華やかな声が!
こるみ「こんにちはー!お邪魔します」
み「履物ぐちゃぐちゃだな」
現れたのは浴衣姿のお三方でした!!
なんでしょうね、この一瞬で世界が変わってしまう感じ。病んだ気持ちもなにもかも一気に上書きしてくれる強烈な多幸感。さっきまでどうしようもなく灰色にくすんでいた世界が、一瞬で生まれ変わる瞬間でした。
て「じゃ、撮影しますー。どうぞー」
ふらふらと最初に撮影に向かいます。壁の前にならんでピースで全員ショットを撮っていただきました。
こ「来てくれてありがとうー!!」
ま「こちらこそ!よろしくお願いします!」
み「楽しもうね!イェーイ!」
ま「イェーイ!よろしくです!」
ま「来られました、瑠海さんのお蔭です」
る「まっこいさん、来れてよかった!楽しみましょう!」

ぶちうんさんとkimuraさんが写真を撮ってるのを口を開けてニヤニヤしながら見ているのが、たまらなく幸せでした。ぽやーっとしていると、
て「はい、ではみなさん座ってください」
ま「す、座るんですか?」
る「これからお茶のおもてなしをしますから。」
まぶき「ええー!お茶の?」
る「そう。はい、みもりさん」
み「あ、もうお茶淹れて飲んだんだ。偉いね。でも、これで淹れたら薄いかな。お茶っぱ、足して」
ま「は、はい!只今!」
み「ん、ありがと」
こ「ほらまっこいさんも座りなよ」
空いてる場所に座ろうとすると、必然的に瑠海さんと香美さんの間に座ることに…。
る「あーほら座布団つかってね」
ま「な、なんか恐縮でつい」
こ「なんでよw」
ああ…いいにおいがします…
み「ここはおじさまの部屋だね。香美ちゃんのストライクゾーン」
こ「そうよー。私おじさん担当だから」
き「まっこいさん、すごい笑顔になりましたね」
ま「kimuraさんだって」
ぶ「今日はもう温泉入ったの?」
み「うーん、あ、入った入った。そういう意味では湯上りだよ!…はい、お茶入ったけど、ちょっと今煮出してるからね」
ま「ほえええー、お茶を入れて頂けるなんて…幸せです」
る「遠くから来てくれてありがとうー。私たちは昨日から来てて、今日は昼過ぎまで寝てたのw 久しぶりだよね昼まで寝てたの」
み「はい、お茶だよー」
ま「ありがとうございます、頂きます」
る「あーちょっとまって、オススメのお茶菓子がありますから。香美ちゃん」
こ「はーい(取りに行く)」
ま「はああああ御茶菓子まで」
こ「はーい。どうぞー」
ま「ありがとうございます!」
(写真を撮る)
る「おー、ここは写真撮るんだね」
み「部屋ごとに個性が出るよね。隣の部屋はすーぐに食べてたよw」
こ「(僕の御茶菓子の位置を調整して)もうちょっとこうしたほうが映えるんじゃない?」
ま「あ、あ、無銭で香美さんの(指の)写真撮っちゃった…」

こ「こっちのほうがいいかな」
ま「あ、あ、ありがとうございます」
て「はい、そろそろお時間です」
る「じゃあ、このあとも楽しみましょう!」
み「あとでねー!」
こ「たのしみ!」
る「ほんとに、来てくれてありがとうー!」

ま「…いやあ、びっくりしましたね」
き「いやいや、ほんとに」
ぶ「言っといてくれればもっといろいろできたのに…。音楽かけといてその話を聞くとか…」
ま「うわあああそれいいですね!」
ということなので、冬のツアーに参加するみなさんは、この可能性を踏まえて仕込みを考えた方がいいですよ!

 

■温泉に入る

さ、というところで、次の予定まで3時間ほどあるので、温泉タイムです!
七福の湯とおとぎ話の湯の二つのゾーンがあり、初日は七福の湯が男湯でした。一番奥に白狐の湯という、マイクロバブルで白く濁って見える湯があって、その一番奥に「ふれあいルーム」なるものが…。どうやら、家族や恋人が混浴するための部屋のようです。
ま「と、いうことは…」
「つながってる、ってことですよねww」
ま「…女湯と!!」
いかんいかんいかんいかん、考えない、考えない。打たせ湯に打たれたりしつつ、同行者の皆さんと語り合いつつ、たくさんの露天風呂に入り倒していると、なんかもうお気楽な気持ちになってきます。温泉パワーおそるべし。
脱衣場でkimuraさんと一緒になったので、湯上りのコーヒー牛乳となんか女子力高い水(kimuraさん)で乾杯しつつ、マルセイユの話を聞かせて頂いたのですが、これが大変含蓄のあるよいお話でした。僕がここに書くのも違うと思うので、いつかkimuraさんに書いていただきたいと思いました。

部屋に帰ると、ぶちうんさんがkolmeの曲をスマホで流してくださっているので、聴きながらゴロゴロしていたら、うとうとと眠りの世界に…。
たちまち、悪夢に襲われます。スマホに烈火のごとく怒ったお客様からのメッセージが山のように飛んでくるリアルな悪夢を見て、肩で息をしながら飛び起きると、18時を過ぎたあたりでした。一応アプリを確認すると着信はなかったのですが、あまりにも夢がリアルすぎて恐怖感が抜けません。水差しの水を一口飲んで、ため息をつきました。どれだけ考えても、救いが見出せない感覚。ふと、月曜日のことを考えました。こんなに楽しいのに、必ず終わってしまって、月曜日がくるんだよな、と思うと、子供のように泣きわめきたい気持ちでいっぱいになりました。

 

■大宴会

そうこうするうちに、宴会の時間がやってきました。大丈夫か俺。宴会場の前にはすでにみんな集まっていて、若いレグルス勢からさんざんパパ呼ばわりされます。若くないレグルス勢からも呼ばれますが、まあ、こんな時なので「俺は君らのパパじゃねえ!」などと言い返しつつ、ちょっと有り難かったです。
会場に入ると、すでにお料理満載の円卓が6脚並んでいて、ディナーショーの会場といった雰囲気です。温泉での大宴会ということだったので、和風な宴会場を想像していたのですが、これなら生ピアノのライブもハマりそうです。

乾杯用のソフトドリンクが振舞われ、お料理の簡易コンロに火が灯ると、舞台袖からパチン、パチンと気合い入れの音が聞こえて、kolmeのお三方の登場です!
みもりさんは白のざっくりしたトップスにピンクのロングパンツ、瑠海さんは白いインナーの上に黄色のキャミソール、香美さんは青のパンツルックでした!
る「みなさんこんばんは!」
こ「はいっ!香美です!」
る「瑠海です!」
み「美杜です!」
こるみ「kolmeでーす!」
(会場喝采)
る「皆さん、kolme大人の修学旅行2019in山口にようこそー!!」
(会場喝采)
る「みなさん全国から山口に集まって頂いてありがとうございます。もうね、ここに集まって頂いた皆さんはkolme大好きなみなさんということで、kolmeの説明とかはいいですよね?」
み「kolmeの説明はいいけど、衣装の説明しよ。みんなコンセプトわかる?」
(ま 信号機じゃないよね…)
こ「今回のコンセプトは、ラ・ラ・ランドでしたー!」
会場 「あ、ああ…」
こ「あれ?リアクション薄いな」
る「まあ、そんなこと言ってちゃんと映画見てるの香美ちゃんだけなんですけど」
み「あ、映画?あ、そうそう。」
こ「まあ、ラ・ラ・ランドっぽいのるーちゃんだけなんだけどね」
る「今日はこの後大宴会、そして、そのあとはスペシャルライブというこですごく緊張しているんですけど、みなさん楽しんで頂けたらと思います。そしてそして…」
ここで、カートに載せられた美杜さんのお誕生日ケーキの入場です!
み「イエーイ!ありがとう!!」
る「6月14日は美杜さんのお誕生日ということで、お祝いしたいと思います!」
会場
「おめでとうー!」
「お誕生日おめでとう!」
こ「歌おうか」

全員 Happy Birthdayソングを歌う
美杜さん、蝋燭の炎を3回ほど全力で吹いて消す
満場拍手と歓声

る「では乾杯しましょうか。グラスの準備はいいですか?かんぱーい!!」
会場「かんぱーい!」
お三方は会場を回って、ファン一人一人と乾杯してくださいます。ステージ衣装のお三方と乾杯するのはとても新鮮で興奮しました。

ここから、旅行に申し込んだ時点で決めたメンバーと2ショット撮影が始まります。撮影ブースにはまず美杜さんが入りました。瑠海さんと香美さんはテーブルを回ってくださいます。そして!購入した写ルンですを使って、メンバーの写真を撮ったり、メンバーと写真を撮ったりできるのです!
嬉しい!
る「楽しんでますかー?」
ま「わーい瑠海さん!衣装かわいいですー!」
る「あら、かわいい?ありがとw」
ま「去年の浴衣も黄色でしたよね。温泉旅行は黄色担当とかですか?」
る「一応、みんな着たんだよー。でも、私がこれ着たら香美ちゃんが、これ!ってなって。」
ま「うんうん、お似合いですー」
る「お食事も楽しんでねー」
グラスをもってぶちうんさんにシャッターを押して頂いたり、シャッターを押したり。

今度は香美さんが来てくれます。
こ「どーもー!楽しんでますか?」
ま「わー、香美さん!いい会場ですね!」
こ「そう?よかったー。今日のBGMは香美セレクトだから、それも楽しんでねー!」
kimuraさんの隣の席、いっくんが外した席に香美さんが座ったので、kimuraさんのカメラを向けました。こちらを向いてポーズしてくれる香美さん。楽しい。
みんながメンバーと話したり写真撮ったりしてるのを見ながら食事に手をつけると、これが、美味しいんです。宿の食事のクオリティを疑っていたわけじゃなくて、ここ半月ほど、僕は食事を美味しいと思って食べたことがありませんでした。気がかりが多すぎて、ダメだったんです。でも、刺身を口に入れた瞬間、久しぶりに美味しいと感じました。この日はお昼をコンビニのおにぎりで済ませていたので、空腹だったのもあると思います。でも、きっとそれだけじゃなくて、この旅に少しづつ癒されてるんだ、と感じました。

そうこうしているうちに、2ショットブースに瑠海さんが入りました。早速むかいます。
ま「わーいわーい瑠海さんこんばんは」
る「お、まっこいさん!ほんと、来られてよかったー!」
ま「ありがとうございます…。来られてよかったです」
(撮影)
る「どうですか?楽しめてます?」
ま「温泉よかったです!それと、久しぶりに食事が美味しいって感じてます」
る「大事です。このあとライブもあるから楽しみにしてて」
ま「そりゃもうめちゃくちゃ楽しみにしてますよ。どうですか、アコースティックの仕上がりは」
る「もうー!めっちゃくちゃ緊張してるんです」
ま「今日来てる人はみんな大丈夫な人だから、緊張することないじゃないですか」
る「いやいやいやいや。特別なライブだから、楽しみにしてて」
ま「はーい!またあとで!」
る「うん、またね!」

ああああ瑠海さんは僕の光。ちょっとした隙に胸に蔓延ってくる恐怖感が、解けていくのを感じます。強烈な癒し。気がつくと食が進んで、誰よりも早く夕食を平らげてしまっていました。食べ物が美味しい、と思ったのは、久しぶりでした。
ス「メンバーの皆さん、ライブの時間です!戻ってきてください」
こるみ「はーい」
引き上げてくるみもりさんと目が合います。
み「…あ」
ま「どしたんですか?」
み「ごめん、このテーブルに来れなかった。時間なくなっちゃった」
ま「来ないなーと思ってましたww バータイム!バータイムでいっぱい構ってください!」
み「…ごめん」
まあ、僕の部屋は推し構成的に損害軽微だったのですが、みもり推しの方が気の毒でした…。

 

スペシャルライブ

そしていよいよスペシャルライブの始まりです!
飲み物や食べ物があって、着席でのライブはさながらディナーショー。僕らのテーブルは上手最前だったので最高です。
一曲目はBring you happiness!!kolmeさんは遠隔地でライブするとき、よくこの曲を一曲目に持ってきますよね。「会いに来たよ!」ってメッセージがダイレクトに伝わる選曲で、早くも涙腺に来ます。まあ、今日は僕らも結構遠くから来てるわけですけどね。着席でリラックスしつつ、幸福感で膨れ上がります。
そしてそこからのWay I amでライブは一気にトップスピードに乗ります。
み「クラップずれてるよ!」
容赦のないダメ出しが、僕らとの距離感の近さを感じさせて嬉しさがさらにこみ上げます。さらに畳み掛けるようにThe liarです!ディナーショーの雰囲気とこの曲は良く合っていて、もうひたすら贅沢な気持ち。大サビのクラップでは立ってしまいたいけど、立っちゃうのももったいない感じ。
あっという間に三曲が終わってMCです。
る「じゃあ、このあとはアコースティックコーナーということで、みもりさんには準備して頂いて。私たち喋ってるから。」
み「準備しながら喋る」
る「そう?私たちは昨日から山口に来てまして。今回は三人部屋なんです。珍しいよね、三人部屋」
み「こう、三人並んで寝るんだけど、すごい近いの。特に瑠海さん」
る「わたし?」
み「わたしは夜中に目が覚めたんだけど、起きたら目の前に瑠海さんの顔があって。瑠海さんにキスされるのかと思った」
(ま 妄想に深く沈む)
(スタッフさん椅子を運んできて、三人は着席)


る「そんな?!」
み「そんなだったよ」
る「わかんないけど、寝てたからw 香美ちゃんはマルセイユでも別の部屋だったから久しぶりだよね。」
こ「そう、わたしはマルセイユでも別の部屋だったんです。でも、まあ、たまにはねー」
る「みもりさんはずっとゲームしてたり、私たちも久しぶりにのんびりして、朝ごはんも食べずに昼まで寝てました」
み「指ならしさせて(ピアノをひきつつ)。…みんな、あんまりこっち見なくていいから」
る「みもりさんは、すっごい緊張してるんですよ。今日はずっと緊張してたよね」
こ「珍しいよね、みもちゃんにしては」
み「あのね、この前に弾き語りやったのは、クラブチッタの時なんですよ。あの時もめちゃめちゃ緊張してて。覚えてる?あの時、わたし、1音目から間違ったんだよ?!」
こ「あー、覚えてる!」
る「そうだった。は?ってなった。じゃあ、今日はね、そのリベンジということで…」
み「私はふだん、一人で勝手に弾いてるだけだからさ、誰かに聴かせるとかないわけよ。こういうのすっごく緊張するの。だから、深夜の配信とかも、聴かれるのに慣れるためにやってたわけ。」
る「あ、そうだったんだ?!」
み「そうだったの。…ん、よし。いいよ、やろう」
る「では、曲紹介お願いします」
み「わたしの恋愛に対する気持ちを描いた曲です。聴いてください。Hello no buddy」
独自のピアノアレンジを施されたHello no buddyは、なんというか、同じ曲なんだけど別物でした。原曲はbpm遅めながらもビートのしっかりした曲ですが、生演奏バージョンはもっとずっと手作りな感じでした。深夜(まだ深夜じゃないけど雰囲気が)、みもりさんがかき鳴らすピアノに、瑠海さんと香美さんが寄り添う感じの親密な空気感が、なんとも心地よくて、僕は口を開いて無限に息を吐き続けていました。体の節々に凝り固まっていたものが少しづつ溶けてほぐれていくような感覚。曲の終盤に来て、香美さんのマイクが切れてしまいました。でも小さな会場だし、香美さんの肉声で十分届きます。それがさらに、生演奏感を掻き立てて、僕は大いに和みました。
こ「ごめんなさい、途中でマイク切れちゃいましたね」
る「わたし歌わなくちゃ、と思ったけど英語のところだし無理!ってなってw」
こ「まあ、まあ、生だからね、こういうこともありますよ。」
マイクが交換され、次の曲に。
次の曲は、Preciousでした!!!
みもりさんの演奏は、テンポ的にも磐石とは言えない感じでしたが、香美さんがきっちりテンポを保っていい感じのフロウを確保していて、その力量に痺れました。香美さんのダンスを支えているのは、このビート感覚なんだな、と思いました。サビで瑠海さんが入ってくるところで、リズム的にちょっと違和感があるようで、顔を見合わせたりしつつ、演奏は進みます。いやこれね、言葉で伝えるの難しいですけど、この形のPreciousはとてもよかったです。だいたい、原曲からいいわけですが、この曲がなぜいいかというと、香美さんのとろけるように甘い言葉がロマンティックな曲に乗せてストレートにぶつけられるところじゃないですか。それがより肉声に近い形で囁くように歌われるんですよ? 演奏的にも深夜ノリなテンションなので、夜更けのジャズバーで個人的な演奏を聴いてるみたい(そんな体験ありませんが)で、トロトロに溶けてしまう演奏でした…。
み「ごめん!」
こ「だよね。すぐわかった」
る「へ?なになに?」
み「このキーボードにはトランスボーズ機能っていうのがあって、ボタン一個押すとキーが簡単に変えられる便利機能があるんだけど、その設定が解除できてなかったの…」
こ「歌い始めてすぐ「高い!」って思った。けど、まあ、大丈夫だった」
み「ホントごめん、ありがと」
(ま マジすか。すごいな香美さん)
こ「で、リーダーはぜんぜん気づいてないっていうw」
る「私ぜんぜんわかってなかった」
こ「リズムの取り方もぜんぜん違うしねw」
る「超後乗りの香美ちゃんと、頭で行く私とね」
こ「ぜんぜん違うんだよね。面白いね」
る「さて、ここまでは、割とアコースティックっぽい曲をやってきたんですけど、次はちょっと意外な曲もやりたいなと思っていて。私が作詞した曲で、これからの季節にぴったりなこの曲を聴いて頂きたいと思います。For you」
アップテンポなイントロが終わり、歌い出したところで瑠海さんがはっ!と美杜さんを見ます。香美さんも笑い出して演奏ストップです。
み「ちょっと、今のなし。もう一回」
る「今のは私もわかったよ?!」
み「うまく設定が切れてなくて、キーがちがっちゃってた。ちょっとキーボード再起動するから待ってて。バッチリ調整してきたけど、持ってくる途中でいろいろ変わっちゃってるみたい」
る「今回、キーボードも運んできてますから。」
こ「ライブって感じだよね」
み「ちょっと練習。みんなはこっち(瑠海さんを指差して)見てて」
こ「後ろ向いて弾けば?w」
み「そっか。椅子こっち置いてね。それで演奏しようかな」
る「ダメです。美杜さん推しのひとがいますから」
み「そんな、私は音だけ聴いてくれればいいんだけどな…」
る「はい、もう行けます?」
み「オッケー」
る「それでは聴いてください、For you」
イントロも完全に別アレンジのスペシャル感溢れるFor youでした…。夏の恋を歌ったこの曲ですが、なんというかもっとしっとりと切なく夜の雰囲気な演奏で、さらに心地よさが加速します。サビの後にピアノでアップテンポな間奏に行くのですが、そこにいくたびに美杜さんが身構える様子が伝わるので、香美さん瑠海さんも笑顔で見守る様子がなんとも素敵でした。しかし、これは美杜さんが大変そう。メンバーだけのアコースティックライブの実現には、ちょっと時間がかかりそうです。
み「もっと練習する」
る「またやりましょう」
み「ちょこちょこやっていかないと、また下手になっちゃうから」
る「さあ、じゃあここからはみんなで歌って、踊って楽しんでいきたいと思います。…ほら、確認しないと」
み「リーダーがやんなよ」
こ「そうそうw」
る「うーん、そう?…盛り上がる準備はできてますか?」
会場 Yeah!
る「ここからは、「写ルンです」持ってる人はね、写真を撮って頂いてOKということなので。楽しんでいきましょう、Sing along!」
もう座っていられなくて、立ち上がりつつ壁際に移動すると、他の席の皆さんもあらかたそんな様子。kolmeさんたちはステージを降りて、歌い踊りながら客席をまわり、カメラを向けるとポーズをとってくださる天国。ああああ楽しい。
そして、最後の曲はMy everythingでした!こちらも、みんな踊っている会場を、kolmeさんたちが練り歩いてくださって、めちゃめちゃ楽しかったです。
なんというか、存分に癒して頂いた上に最高に盛り上げて頂いて、最高の時間となりました…。
スタッフの方の「ドアに近いテーブルの方からお帰りください」のアナウンスに、
「制限退場w」
「エレベータが混んじゃいますからね(みんな同じ階)」
とかヘラヘラ笑いつつ、会場をあとにしました。

 

■Bar Time
部屋に戻ってくると布団が敷かれていました。温泉旅館最高だな。満腹感と幸福感に包まれて、ライブ後の身体を投げ出せば、そりゃもう天国というものでしょう。アラームをかけて一眠りすると、たちまちバータイムの時間です。短時間でしたが、悪夢を見なかったのは久しぶりでした。

バータイムは1Fの喫茶スペースを借り切って行われました。入口がガラス張りなので、中を覗き込んでみると、どうやらカラオケはちゃんとあるみたいです。
ここで、僕は瑠海さんとの会話を思い出していました。美杜さんの誕生日の電話会の時、仕事に絶望して自棄になっていた僕は、瑠海さんとこんな話をしていました。

ま「旅行、申し込んでるんですけど仕事でどうなるかわからないんです」
る「えー?!そうなの?」
ま「行けるように頑張るんですけど。もし、行けたら、バータイムに瑠海さんとデュエットしたいです」
もうダメだ、行けないと正直思っていたので、我ながら無茶苦茶をお願いしたと思います。
る「えー、いいよいいよ!デュエットやりましょう」
ま「ま、マジっすか」
る「もちろん。ぜんぜんですよ。…あ、でも当日そういう感じにならなかったりしたら、できないかも。その場合はごめんね」
ま「もちろんもちろんです。もし、できたら、もし、行けたらの話で」
…そうだった…。ヤケクソとはいえ、僕はいったいなんてことを…。

うあああ、ってなってる僕に関係なく、ドリンク券の販売が始まります。レギュレーションは以下の通りです。

・乾杯用ドリンクは旅行代金に含む
・メンバーオリジナルカクテル(サイン入りコースターつき)は一杯1000円
・飲み放題 2000円(サイン入りリストバンドつき)
※メンバーオリジナルカクテルは飲み放題に含まれません

リストバンドはメンバーが所狭しと書き込んでいるので、外して保存するのが大変そうでした。まあでも、どうせならメンバーとお話ししながらドリンクを買う方がいいので、ほぼリストバンド自体を買う感じでしたが。

ここは席の指定がないので、適当な場所に散ってメンバーの入場を待ちます。僕は外国から来た香美推しの方とみやっちさんの隣に座りました。
外国から来られてる方も結婚されてて、お子様がいらっしゃるそうで、この旅行のことは奥様には適当に濁してきているそうで、「わかります!」ってなりました。
そうこうしているうちにメンバーのお三方の入場です!!
美杜さんはシックなグレーの柄物のワンピース、香美さんは青と白のボーダーのラグビージャージにジーンズ、瑠海さんは白いシャツに水色のスカートと、私服での登場です!!かわいい!!
る「はい、皆さんお待たせしました!飲み物は持ってますか?…持ってます?大丈夫です?
それではバータイムはじめます!かんぱーい!」
こるみ会場「かんぱーい!!」
メンバーがドリンクを持って、一人一人と乾杯して回ってくださいます。
ま「わーいるうなさんかんぱーい!」
る「かんぱーい!楽しもうね!」
こ「かんぱーい!」
ま「かんぱーい!ラグビージャージ、かわいいです!」
こ「これ、こないだもらったやつ!気に入ってるんだ」
み「おっ、まっこいさんかんぱい」
ま「かんぱーい!!」
み「いっぱい飲んで!」
ま「あははがんばります(下戸)」

そのまま、メンバーの皆さんは適当に空いてるところに座って、ファンと話してくださるスタイルです。瑠海さんがカウンターに立ったので、もちろんオリジナルカクテルを買いに並びます。
る「いらっしゃい。どれにします?」
ま「る、瑠海ママ!」
る「いらっしゃいまっこいさん。」
ま「お酒飲めないので弱いやつがいいんですけど…」
る「やっぱりRUUNA MIXじゃないですか?甘くて飲みやすいよ」
ま「わーい瑠海さんのお酒!それにします」
る「あいよー。はい、じゃコースターと…」
ま「ありがとうございますー」
る「ほら、これにはハートのストローがついてるよ」
ま「ハートの!」
る「うふふふふ。まっこいさん、またあとでね」
ま「はーい。またあとでー」
飲み物を持って席に戻ると、ふわーっとした気持ちに。飲み物に酔っているのか、瑠海さんに酔っているのか。ぽやーっとしていると、このテーブルには空席がないからメンバーがきてくれない、ダメだ、という話になり、空いてる椅子を持ってきました。
すると程なく、香美さんが登場です!うはー!香美さんが僕の隣の椅子に!なんでしょうね、自分が列に並んで近づいていくのとは、全く別種の近さを感じます。
はるばる外国から参加された香美押しの方に敬意を表して、特に話しかけずに香美さんに見惚れておりますと、話はこの旅行に参加して奥様が怒ってる、という話になった模様。
こ「そっか。そういうのってみんな大変なのか。まっこいさんのところは?」
ま「うちもダメっす。完全に秘密です」
こ「えー、そうなんだ。なんか複雑だねぇ…」
ま「僕だって別に秘密にしたいわけじゃないんですよ。でも、ももクロにハマってた時に打ち明けたら、拒絶反応がすごくて」
こ「え、そうなんだ。kolmeはあんまりアイドルっぽくないから大丈夫、ってなんないかな?」
ま「ですよね、なるかもしれないです。でもまあ…妻は僕が好きなんですよ」
こ「おーwww」
ま「いつもベタベタハグしたりしてますから。新婚19年ですよ」
こ「そういうのいいね。私もそういうのがいいー」
ま「なるでしょ、香美さんと結婚したら」

とかなんとか話してると、瑠海さんがとなりのテーブルにやってきます。おおすちんさんがお菓子を持ってきます。
お「瑠海ちゃんが「あのテーブル.お菓子がないから持って行って、って」
い「えええ、そんなん見ててくれたんですか」
る「そう、お菓子がない!って思って。お菓子ばかりみてるからw」
優しい…さすが瑠海さん…
る「あれ?香美ちゃん?」
遠方から参加されたおたくが、となりのテーブルの香美さんを気にしてそわそわしてるのに気づく瑠海さん。
る「そういう時は、行かないと!」
あ「え?!そ、そうですか?」
る「そうだよ!なかなかないチャンスなんだから!」
僕は香美さんの隣に座っていたので、彼と席を替わりました。
る「がんばって!」
「そういう、だれがだれ推しとかって、どうやってわかるんですか?」
る「えー、見ればわかる!視線とか」
一同「おおー!!」
る「それと、握手の時の手の握り方!」
一同「そんなところで!」
「どれくらい当たるんですか?」
る「五分五分?!」
一同 一斉にコケる
「メンバー三人!」
「全然確率よくない!」
「当たってないw」
る「そんなことないよ!わかるよ!」
ま「え、ここにいるみんなはすぐわかりました?」
る「そうだね。でもにかちゃんはわかりにくかったかな」
「あ、そう?」
る「うんうん」
「誰推しが多いとか、気になりますか?」
る「ううん。私たちはね、センターは美杜さんって、はっきりしてるから。立ち位置がどうとか、歌割りがどうとかじゃなくて、私たちの中心には美杜さんがいるの。」
「曲作ったりするし?」
る「そうだね。私たちは美杜さんの作る音楽を伝えたいから」
ま「でも、そういうポジションでリーダーやるのって、いろいろ難しくないですか?」
る「うーん、でも、美杜さんはすごく才能あるけど、自分の気持ちを人に伝えたりするのは苦手な人だから。そこを私や香美ちゃんがやっていけたらって思ってる。」
ま「そんなにはっきり役割の意識があるんですね」
る「そう。だから、ライブの前にMCで伝えたいことはいっぺん書くの。書いて、二人にも見てもらって、そこちがうよ、って言われたら直して。で、それ覚えて話してる」
今までなんども見てきた、kolmeの今までやこれからを語る瑠海さんの横で、頷きながら聞いている二人。あれは、以心伝心ではなくて、綿密に打ち合わせされたものだったのです。
ま「たいへんじゃないですか!MC全部ですか?」
る「あ、フリートークのところはその場でやってるよ?私たち打ち合わせすると、ぎこちなくなっちゃうから。」
一同「ほええええ」
る「なんか私、すっごくマジメな話しちゃってるね」
一同
「いやいやいや」
「すっごくいいお話でしたよ」
「きけてよかった」
る「うふふふ、そう?よかった。じゃ、また他のところ行ってくるね」
「はーい」
「ありがとうー」
「またあとでー」
手を振りながら席を離れていく瑠海さん。僕はなんだか感動してしまって、椅子にぼんやり座っておりました。
すると、みどりさんが僕を呼んでいます
み「まっこいさん、みもりちゃんの飲み物買ってあげてくれませんか」
ま「いいですけど、どうしたんですか?」
み「直筆イラストのコースター、すごい数描いちゃったみたいなんですよ。余らせたくないんで…」
直筆イラストのコースターなんてほしいに決まってるので、列に並びました。

み「お、まっこいさんありがと。なんにする?」
ま「弱いの、弱いのお願いします。飲めないんで」
み「じゃあ、オペレーターかな。白ワインとジンジャーエールだから、飲みやすいよ」
ま「それでお願いします」
み「はい、コースター。…酔ってきたかも(イラストと同じ顔する)」

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よってきたかも

ま「ううううああああああかわいいいい」
み「酔っちゃった…」
ま「なななななんですかどうしたんですかありがとうございます」
み「…なんてね。酔ったことなんかないけどね」
ま「お酒強いのすごいなー。それもかっこいいっす」
み「はい、お酒。ゆっくり楽しんで」
ま「ありがとうございますー」

ニヤニヤしながらコースターを眺めつつお酒を飲んでいると、香美さんと交代した美杜さんが隣にやってきました。
もう一つ向こうではみやっちさんがタブレットで同人誌の現行を描いています。
み「読ませて」
や「いいですよ」
(ほ、本人監修の同人誌…。って、それもう同人誌じゃなくないですか?)
み「表紙エッチだな!」
や「そういう漫画ですから。一応全年齢ですけど」
み「でも、わたしもっとかわいくエッチに描けるよ。ちょっと白いページ出して」
ま「直筆原稿すごい」
み「まっこいさん鼻血でちゃうよ」
ま「出しませんよ中学生じゃないんだから」
白いページにapple pencilでぐいぐい絵を描いていく美杜さん。
「早!!」
「え、かわいい」
「うまいなー!」
み「ここはこういう表情がかわいいでしょ」
ま「オフィシャル本になってしまった…」
や「これ表紙にしたらいろいろ権利とかヤバイですよね」
み「(お金のハンドサインしつつ)これはもらうから。マンガ読ませて」
や「これはスクメロのストーリーの後日談で、大人っぽくなりたいと考えた明佳里ちゃんが美杜さんの教えを請いに来る、というストーリーなんです」
み「なるほどね。あ、こうみんこれやるよね!(片手で髪をかきあげる仕草)」
ま「おー、流石よく見てる」
その後もアングルや展開など、細かい指摘が入ります。
み「『私が大人にしてあげる』ってエッチじゃない?」
や「そういう漫画ですからね」
みど「みやっちさんって百合好きなの?」
や「ぜんぜん」
全員「は?」
や「好きなキャラクターと好きなアイドルが両方出たら2度美味しい、ってだけなんで」
ま「そういうことか」
み「まだラフのところとかあるから、完成したらまた見せて」
や「はい」
美杜さんが去っていきます。

ま「すごくね?先生の直筆原稿すごくね?」
や「すごいですよね?これどうしようかな」
ま「表紙にしちゃえば?」
や「流石に表紙はちょっと。権利とか心配だし」
ま「じゃあ、余白いっぱいあるし、空いてるところにコメント書いてあとがきのバックに使えば?」
や「あー、それいいかもしれませんね」


る「漫画描いてるの?」
瑠海さん!いつのまにか瑠海さんが来ていてびっくりしました。
る「わたしもなんか描いてみたい」
や「いいですよ」
る「じゃあねえ…」
いきなり大きな円を描き始める瑠海さん。
「なんだろ」
ドラえもん?」
「あ、アンパンマンだ」
る「そう!ぼく、アンパンマン!」
「意外とちゃんとしてる」
アンパンマンに見える」
る「ドラえもんも描けるよ」
首輪の辺りから時計回りに描いていく瑠海さん。不思議な描き方ですが、徐々に整っていきます。
る「できた!」
「瑠海さん、ひげ、ひげがないです」
る「ひげか!!」
ドラえもんだ」
ドラえもんですね」
(意外と上手なので拍子抜けの体)
隣の椅子で、お絵かきをしている私服の瑠海さんをみて、僕はどろっどろに溶解しておりました…。
や「自画像書いてくださいよ」
る「わたし?描けるかな」
いきなり四角い輪郭をガッと描く瑠海さん。そこに線で髪の毛などが描かれていくのですが、小学生の女の子が描きそうな絵で、とてもかわいらしいです。
ス「メンバーの皆さん、戻ってきてくださいー」
る「あ、呼ばれちゃった。じゃあ、またあとでね」

メンバーが引き上げていくと同時に、関西のファンの方が僕のところに来て、仕事のことについて温かい言葉をくださいました。ああもうみんな暖かいな…。

もう23時半近くになっていたので、そろそろ終了なのかな…と思っていたらなんとなんとここからカラオケタイムに突入です!!


トップバッターは香美さんでした。以前ラジオで好きだと語っていたkiroroのBest Friend!「時には急ぎすぎて見失うこともあるよ」の歌詞が、なんとなくNo need to rushの世界観とつながる気がします。会場は左右に手をふって盛り上がります。

続いて、瑠海さん。聞き覚えのあるイントロが始まって「なんだっけ?何だっけこの曲知ってる!」ってなりましたが、なんと「木綿のハンカチーフ」でした!
なんというか完全に生まれる前の曲ですよね。でも瑠海さんみたいな女の子にこの曲を歌われると、ぐっと来ますよね。

そして続いて美杜さん。マイクを握って待機しつつ、美杜さんがかわいいポーズをしているので
「かわいい!」と口走ると、次々にサービスのポーズが飛び出してたまらんことになりました。
香美さんを引っ張り込んでWhole new worldです。アラジン役が美杜さん、ジャスミン役が香美さんの想定のようです。
低いキーも意に介さず、ぐいぐい歌い切ります。

そして最後は香美さんが初めて自分でCDを買った曲でおなじみ「偶然の確率」でした!
ワンコーラス目は香美さんが、2番のサビを瑠海さんが、最後はお三方揃って歌います。
こ「ファンクラブ入ってました!」

というところで、ほぼ日付の変わる時間。楽しかったバータイムもそろそろお開きです。
おたくとメンバーがデュエットするような展開にはならなかったな、とほっとしたようながっかりしたような気持ちでいると、みんなに手をふるメンバーの中で瑠海さんが僕に向かって手を合わせています。「ごめんね」と口が動くのがわかったので
「大丈夫、大丈夫です、こちらこそすみません、ありがとうございます」と伝えました。ちゃんと覚えてて、気にしててくれたんだな、と思うと、嬉しくて切なくて、幸福感で胸が痛くなりました…。

こうして、旅行初日の全行程がおわりました。
ここ一ヶ月の間、頑強に胸に住み着いていた恐怖感は、今は薄れています。でも、また夜が来て、悪夢の中でどうなってしまうのか、という不安はまだあります。
とはいえ、今日一日の強烈な癒やしのおかげで、こんなに平静に夜を迎えることができたのは久しぶりでした。
仕事が厳しくなると、楽しいこと、嬉しいこと、美味しいこと、そういった自分を幸せにするようないろいろなことを味わうためにエネルギーを使うのが億劫になって、どんどん自分を追い込んでしまいがちですが、それってやっぱりジリ貧なんだよなあと思います。
いくら世界を救いたいからって、宿屋にも泊まらずに、MPゼロで魔王に突っ込んでいっても死ぬばっかりじゃないですか(唐突なドラクエ例え)。
しっかり休んで、しっかり幸せな思いをして、自分をしっかり保っていないと、結局の所いい仕事はできないんだよなあと思います。
Deep breath。頑張り続けることだけがすべてじゃないよ、とkolmeさんたちも歌っています。


kolme / Deep breath - Lyric Video


kolmeになって、マイナスから再スタートを切ってからの彼女たちは、僕よりずっときつい状況の中で、頑張り続けてきたのだと思うのですが、そんな彼女たちからのメッセージだからこそ、胸に響くものがあります。
そう、この旅行自体が、僕のDeep breathになるといいな、そうしよう、と思いました。

 

湯田温泉ミッドナイト

そう思うと、猛然とお腹が減っているのを感じました。晩飯結構食べたんですけど、なにしろここ一月、食欲らしいものを感じなかったので。
関西kolme会のみなさんが、前夜にkolmeさんたちが食べたという「幻のラーメン」を食べに行く、ということなので、同行させていただきました。
湯田温泉の町並みは、午前1時になってもまだまだ賑やかでした。アコーディオンの流しの人がいたり、たくさんの若者が楽しげに行き交ったりしていて、
大変活気のある温泉街でした。楽しい楽しい。
そんな町並みの中の「幻のラーメン」は魚介系スープにぎっしり並べられたチャーシュー、背脂、というラーメンでした。見た目よりずっとあっさりした味わいで、初対面の皆さんとお話しつつ、大変美味しくいただきました。

宿に帰ってきてみると、僕の布団に他の人が寝ていますw 
いくら起こしても起きてくれないので、僕が彼の布団に寝ることにしました。彼の部屋のメンバーは親しくしてもらってるおおすちんさんとACDCさんなので、全然問題ありません。
というわけでそっちの部屋に行ってみると、お二人はバータイムに門間さんと話していたそうで、その内容を教えてもらうことができました。
まあ、ここで僕がまた聞きで書くのはどうかな、と思うので、直接聞いた方が書かれるのがいいのかな、と思いますが、
ラグビー選手時代の話
・ドロシーサンプラザ当日の話
・メンバー三人を家族だと思っているという話
など、味わい深い内容で、少しは門間さんのところに行けばよかったな、と後悔しました(けど無理。僕は100回行ったら100回瑠海さんのところに行ってしまう。無理)。
最近高橋麻里さんもインタビューで少し語っていましたが、関係者にとってもあの事件は言葉にできるくらいは整理されてきてるんだなと感じました。
多分、もうみんな薄々は知っている通り、2つの事務所の相克の話でしかなくて、彼女たちはそれぞれの信じる大人を一途に信じた結果、というのが真相に近いんだろうなと思います。
それはもう、単に経営の話であって、どっちが悪いとかじゃないんだと思います。その経緯の中で、なんとなくkolmeに悪いイメージを持っている人も多いと思うので(僕もそうでした)少しづつ語られていくといいなと思います。

しみじみとkolmeさんたちのことを考えていたら、insta Liveが始まりました!
こういうのはみんなで見たほうが面白いので、寝るのをいったんやめて、角部屋に行ってみます。
角部屋は5人部屋に10人以上が集まるカオス状態です。畳の上に昏倒している人がいるなーと思ったらkimura師匠でした…。
もう部屋割りもなにもあったもんじゃありません。
同じ宿からの中継を、一室にあつまったおたくが同時にニヤニヤと見ながらやいやい言う楽しい時間が過ぎていきます。
午前3時を過ぎて、流石に眠くなってきたので部屋に戻りました。

スイッチが切れたみたいに眠って、目が覚めると6時過ぎでした。相変わらず長くは眠れないけど、珍しく悪夢を見ませんでした。
癒やされてる。そう思いました。せっかく目が覚めたので、風呂に行くことにしました。行ってみると、男湯の場所が違います。
そうだ、入れ替え制なんだ。ここ、昨日は女湯だったんだよね…。早朝で入れ替わったばかりなんだよね…。
朝から邪念に満たされますが、太陽を浴びながら風に吹かれているとなんともいい気分です。
風呂から上がって、本来の部屋に戻ると、いつの間にか布団に戻っていたkimura師匠もぶちうんさんも起きていました。
連れ立ってホテルの朝食バイキングに。他の部屋の皆さんも結構動き出しが早く、ライブキッチンだし巻き卵など、たいへんおいしい食事にさらにテンションがあがります。

 

■岩国観光へ

そして9時過ぎにホテルをチェックアウトして、バスに乗り込みます。これから錦帯橋観光です。


ここで写ルンですの追加販売のアナウンスが入りました。4000円で2台めを購入できるそうなので、大喜びで買い足します。
特典会でソロショットを撮ろうとすると個人で2000円、全員ショットで3000円ですから、28枚で4000円は激安です。2枚取ればペイしてしまいます。
現像代やらなにやらをカウントしても、9割引くらいのお値段です。実質無料(おたく算)。
ここでメンバーのみなさんが乗り込んできます!やったー!!!
香美さんは白いポロシャツに黒いミニのキュロットスカート、美杜さんは白いシャツに白いロングパンツ、デニムのジャケットを羽織ったスタイル、瑠海さんはブルーと白の花柄のワンピースでした!
かわいいいいいい。
る「みなさん、おはようございまーす!」
車内 「おはようございまーす」
る「まだみんな眠そうだね。昨日何時頃寝ました?」
車内 (ばらばらと返答あり)
る「はい、じゃ1時より前に寝た人!」
車内 数名手が上がる
み「あ、いるんだ」
こ「えらいよ。寝たほうがいい」
る「そうだね。私達はバータイムのあと打ち上げをしてて、そのあと配信をしてたんだよね」
み「香美ちゃんはすぐ寝ちゃったけどね」
る「わたしと美杜さんはゲームしてて。じゃあ2時に寝た人!」
み「少ない」
る「3時に寝た人!」
こ「みんなそれくらいに寝てるんだね」
る「わたしたちは結局4時過ぎまで起きてて。でそのあとギリギリまで寝てたから朝ごはんも食べられず。というわけで、今食べるのでちょっと待っててね」
み「食べながら喋れるよ」
こ「しゃべる!」
る「あとで、後ろの方にも回っていこうと思うので、待っててくださいね:」
ということで、二日目にもかかわらず、参加者の自己紹介が始まりました。名前とkolmeの好きなところ、持ってきたお菓子を申告せよ、というレギュレーションで始まったこの企画、もちろんkolme大好きな人しか参加していないので、絶賛の嵐になります。でも、皆さんのコメントにはいちいち共感するところが大きくて、聞いていて楽しかったです。
る「なんか…みんないっぱい褒めてくれるから嬉しいね」
み「もっと褒めてもいいんだよ」

自己紹介が終わると、美杜さんを先頭にメンバーのみなさんが車内を移動してきてくれます。
(バスツアーでは通路側の席が圧倒的にアタリです。僕は今回窓際だったので、ちょっと残念でした。)
いろんなところを移動するのかな、と思っていたのですが、美杜さんは最後尾付近で最近良く聞いている音楽の話を始め、動かなくなってしまいました。
ONDAさんたちがこの話をきいていたので、詳細は美杜さんと話していたみなさんにきいてください。
というわけで、奥に行きたい瑠海さんと香美さんはその直前で詰まる形になり、間近で瑠海さんをいっぱい見られたので幸せでした…。
しょうやさんが持ち込んだ、瑠海さん美杜さんの高校時代の写真から、学生時代の話に。
る「うちはママが厳しかったから、中学生の時は勉強がたいへんだったの」
ま「あ、もう仕事してから、両立が」
る「そう、両立が。机に座ってぐったりしてると、ママが「はいこれ」ってくるから、夜食かな、と思うとアイスノンなの」
「あ、起きろ、と」
る「勉強しなさい、って。まあ、お仕事続けて、高校生になったら、だいぶ、まあまあ、って感じになったけど。みんな文系?理系?」
「文系っす」
「理系かな」
る「●●くんは文系っぽいよね」
「そ、そうかな?」
る「私達は、小学校の先生になるコースだったの。だから、ピアノ弾いて歌う授業があって。美杜さんはピアノ弾けるからいいじゃない?
私はピアノできないから、歌います!って言って歌だけで単位もらってた」
「アリなんだ」
「かわいいから…。かわいいからですよね」
でもね、いいよね、美杜さんの弾き語りや、瑠海さんの歌う歌を聴けるんですから。いいなあ先生。羨ましいなあ。

ま「瑠海さん、ゴールドのピアス素敵です」
(瑠海さんは大きなリーフ形状のピアスをつけていました)
る「よかった、似合ってる?」
ま「かわいいです…。昨日もゴールドのブレスレットされてましたよね。最近ゴールド系がお好きなんですか?」
る「ライブだと真珠やシルバーが多いんだけど、普段はゴールドよく付けるよ」
ま「そっか、私服でお会いする機会は少ないですもんね。華やかでいいなあと思います」
る「うふふふ、よかった」

とかなんとか話していると、車窓に錦帯橋が見えてきます。


「おおー!あれだ!」
「実際見るとすごい!」
「川がすっげえ綺麗!!」
とテンションがあがります。まあ詳しいことはwikipediaとかで見てもらえたらいいんですけど、錦帯橋は江戸時代に作られた橋で、川幅の広い錦川
になるべく橋脚を少なく(水害で流されちゃうので)架橋するために、多重アーチ型構造が考案され作られた橋なんです。定期的にかけかえが行われていて、昔僕の実家の表札が、錦帯橋の廃材を利用して作られていたことがありました。ぜんぜんどうでもいいけど。

 

錦帯橋岩国城

駐車場にバスが停まり、まずは全員で集合写真の撮影です。去年は全行程終了後にわざわざ猪苗代湖に集合写真を撮りに戻ったので、運営する側の方も手慣れてきた感があります。僕は香美さんのすぐ後ろで写真に収まりました。

そのまま、写ルンですを使った撮影タイムに移行します。この日は素晴らしいお天気だったので、いい写真が撮れました。
瑠海さんは日傘、香美さんはサングラスで香港スターモードです。世界遺産錦帯橋をバックに、世界のkolmeの写真をいっぱい撮りました。
その時の写真をご覧ください。

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錦帯橋のkolmeさん

このあとは橋を渡って、岩国城の城山に向かうロープウェイに乗ります。
しかし、この錦川というのが自然のままで水もきれいで、大変素敵な川です。
こ「すごーい、ほんとに水が綺麗」
ま「コドモがいたら絶対川遊びしたい!ってなるやつです」
こ「ねー、私も覚えてる」
ま「え、そうなんですか?何歳くらいのことですか?」
こ「5歳くらいかな。おじいちゃんが川に連れてってくれて、クジラを捕るんだとか言ってた」
ま「あー、だいぶちっちゃいですね」
こ「水も冷たいしさ、すぐ出るー!って泣いたの。でも覚えてるな」
ま「そっか。うちのも覚えててくれるといいな」
こ「覚えてるよ、きっと。」

しみじみしつつ川の写真を撮っていたら、美杜さんに携帯を奪われました。
み「まっこいさん撮ってあげるよ。ほら、おおすちんさんも」
お「あ、は、はい」
ま「あ、ありがとうございます」
み「ポートレートモードだって。ポートレートモードで撮ってあげる」
ま「いらねえー!おっさんのポートレートいらねえっす!!」
み「いいからいいから。(やたらに撮る)ほら、いい写真だよ」
お「…ほんとだw」
ま「無駄にいいw」
み「でしょ?!(ドヤ顔)」

もうね、メンバーの皆さんと歩いていればどこだって天国ですよ。我々があまりにもデレデレしつつチンタラ歩いているので添乗員さんの焦りの色が濃くなってきます。
ス「進まない…」
ま「いいじゃないすかゆっくりで」
ス「ロープウェイの時間があるので急いで下さい!11時半に乗らないとダメなんです!」
ま「おー、すごい種類のソフトクリームがある」
ス「帰り!帰りにしてください!進んで!」
ま「実験橋ってなんですかね?」
ス「鵜飼の鵜とか白蛇神社とか面白そうな物がいっぱいありますけどまず進んで!帰りに寄ってください!」
ということなので、直進してロープウェイの駅に。参加者は階段に並びます。
ス「乗り切れないので2回に別れます」
る「わかりました、じゃわたしと美杜さんは最初、香美ちゃんは2回めで」
み「えーわたしこうみんといっしょがいい」
る「なんでよー!」
み「私あとから行くから。バイバイ」
る「ちょっとー!」
そうこうしているうちにゴンドラがやってきて、列の順に乗り込みます。ゴンドラの先頭部に進むと、そこに瑠海さんがいて、
近くの座席に腰を下ろします。近い。瑠海さん近い。といっても、特典会でツーショットを撮ってるときよりは遠いんですけど、こうやって特典会じゃないときに近くに行くのは特別感があります。
る「けっこう地面が近いんだね」
ま「こっちは山側ですから。どっちかというと後ろのほうが眺めが良いと思いますよ」
る「そっか。あー、後ろはいい眺めだね」
そこに見慣れた人が乗ってきます。
る「あれ?みも?」
み「スタッフさんに乗って!って言われちゃった」
(スタッフさんお疲れ様です)
る「ほら(なぜかドヤ顔)
そうこうしているうちにゴンドラが動き出します。
る「わっ!うごいた」
ま「動き出し意外と速いですよね。うちの子供達もスリルがちょうどいいらしくて、ロープウェイ好きなんですよ」
る「ね、意外と速いのね。久しぶりだからびっくりしちゃった。…あ、むこうからも来るよ」
ま「おー、ちっちゃい子が乗ってますね」
る「手振ってみよ。気がついてくれるかな」
みんなですれ違うゴンドラに手を振ります。向こうの子どもたちとお母さんも気づいて手を振り返してくれます。
る「わー!気づいてくれた!可愛いー!」
かわいい…。瑠海さんがかわいい…。

あっという間に駅につきました。山の上のロープウェイの駅の前には、からくり時計があって、そこで写ルンです撮影タイムがありました。
その少し奥には展望台があり、そこには望遠鏡が!
「こ、これは…」
「出るのかあの伝統芸能が…」
まあ、望遠鏡はおいといても、錦川と瀬戸内海を一望にできる絶景スポットです。


ここで、瑠海さんは天守閣へ。他の皆さんとは別行動をとることになりました。僕はもちろん瑠海さんについていきます。
天守閣へ向かう遊歩道をあるいていくと、土地のおじさんが瑠海さんに興味津々の様子。
お「遠くから来たのかい?」
る「はい、錦帯橋にツアーで」
お「そうかい、きれいな人だけどタレントさんかなんかかい?」
る「ま、まあ」
まあ、瑠海さんは超かわいいからおじさんが興味を持つのはむしろ当然ですが、周りを囲む我々瑠海勢の警戒レベルは徐々にあがります。
とはいえ、瑠海さんが「ヤバイ奴らに囲まれた得体の知れない存在」と思われてしまうのも困ります。
こんなときに限って配布用のCDはバスの中においてきてしまっていました(バスまでは持ってきていた)。
「この方はアーティストなんですよ」
「僕らはこの方のファンなんです」
お「そ、そうなんかい」
話が通じた感じはありませんでしたが、とりあえず変に絡まれなくてホッとしました。

岩国城吉川広家の城です。この人は関ヶ原のときに東軍につくことを主張していた人で、家康は関ヶ原の戦後、毛利を改易して、吉川に周防と長門の二国を与えようとしていたそうですね。でも、広家は主家の存続のため、その二国を毛利家に与えるよう家康に懇願し、分家の長という身分に甘んじたといいます。所属団体のために、身を犠牲にして耐える辺りがなんとも苦い共感を呼びます。この城自体も、築城後間もなく一国一城令が出て、破却を余儀なくされてますし。
でも、そんなこととは関係なく瑠海さんはかわいい。ほらかわいい。見てください!

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お城をバックに撮影タイムのあと、天守閣に登ります。
場内には甲冑や刀剣、火縄銃などの展示がありました。階段をいくつも抜けると、天守閣からの眺望がひらけます。
コインを入れる望遠鏡や、景観を説明する写真など、なんともレトロな観光地、という風情。しかし、そこに瑞々しい容姿の瑠海さんが立っている様子は、川島小鳥さんの写真のようです。そしてここで再び撮影タイム。

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天守閣の瑠海さん

ファインダー越しに瑠海さんの視線を受け止めていると、なんとも幸せな気持ちになります。
ゆいくんが、望遠鏡にコインを入れました。しばらく覗いたあと、
「瑠海さん、見ます?僕もういいんで」
る「いいの?」
瑠海さんが望遠鏡を覗くと、さっそく反対側から覗くにかるかさんw
る「えー?いまどこ見てるのかな?錦帯橋は?」
ま「何が見えてます?」
る「海しか見えない」
ま「錦帯橋はもっと右下ですね」
る「右下?こっちか。あ!見えた見えた!すごーい!」
ま「よかった」
る「あれ?ゆいくんもうみないの?替わるよ?」
カシャッと音がして望遠鏡のコインが落ちました。
る「…いつもの反対になっちゃったw」

天守閣を出て、城の石垣のあとのそばの道を下ってロープウェイの駅に戻ると、香美さんや美杜さんたちの姿はもうありませんでした。
ス「じゃあ、ロープウェイを待ってる間、瑠海さんと写真をとりましょう!」
なんと、添乗員さんがシャッターを押してくださるということで、絶景をバックに瑠海さんと記念撮影をします。

さっき天守閣に向かう途中であったおじさんがいて、スマホを出して写真を撮りたそうにしていましたが、スタッフさんに止められていました。わかる、わかるよおじさん、瑠海さんと写真撮りたいよね…。ライブに来て!チェキ撮って!
ス「撮影終わった方は、列の最後尾に並んでくださいね」
「はーい、…って…w」
「列の最後尾って、ループして、ってことですかね」
「そうなりますよね」
「行きます?w」
「いやそれは流石に恩を仇で返してる感じで…」
自然光の中、絶景をバックに、私服の瑠海さんと撮影する2ショットはなんだか特別な感じです。

そんなこんなでロープウェイで下ったあとも、鵜を見に行ったりしながら(門間さんがえらい勢いで鵜に食いついてるのがなんか面白かったです。
鵜は意外と大きくて、瑠海さんは時折悲鳴を上げながらおっかなびっくり見ている感じでした)のんびり歩いていくと、ソフトクリーム屋さんのところで美杜さん香美さんの一行においつきました。ナニコレ珍百家にも取り上げられたお店で、150種類ものフレーバーがあるそうです。
われわれおたくも最初何を食べるか大いに迷っていたのですが、瑠海さんはチョコミント、香美さんがほうじ茶を買うと、
「我々には最初から選択肢などなかった」
といいつつ、皆さん推しと同じものを買っているのが面白かったです。
ま「おおすちんさん、チョコミント好きなんですか?」
お「苦手です」
ま「…愛ですねw」

 

■三原家さんへ

錦帯橋の上は飲食禁止ということで全員ソフトクリームを食べ終わってから渡ります。
この旅行も残すところ、三原家さんでの昼食を残すのみです。次第に悲しい気持ちになってきます。
それと同時に、明日から仕事場で待ち構えている仕事のことが思い出されて、さらに重い気持ちになります。
ため息を付きながら歩いていると、みやっちさんや香美さんたちにおいつきました。

や「みみてん」
こ「なに?」
や「呼んだだけ」
こ「…」
ト「みみてん」
こ「なに?」
ト「呼んだだけ」
こ「なんなの、もう」
何やってんだこの一団は…。

こ「はあ、お腹空いた」
ま「お腹すきましたね」
こ「まっこいさん辛そうw」
ま「いや、これは…。もうすぐこの旅行も終わりだな、と思ったら寂しくなってしまって」
こ「まだまだ、楽しいこといっぱいあるよ」
ま「ホントですか?それは嬉しいです!…でもやっぱり、帰りたくないです…」
こ「あー、でもわかる。私も旅行の最後にそういう気持ちになるもん」
ま「なりますよね?」
こ「そういうときはね、逆に、「残りを思いっきり楽しもう!」って思うことにしてるんだ」
ま「…そっか。うん、それいいですね!僕もそうします」
こ「そうよー! …はぁ、お腹空いた」
ス「すみません、もうすぐです」
ま「www 苦情みたいになっちゃってますよ」
こ「(ニヤニヤしつつ)お腹空いたー!」
ス「もうすぐですから」
まこ「wwwww」
こ「ごめんなさい、大丈夫、大丈夫w」

ほどなく、三原家さんにつきました。


いかにも老舗、という感じの門構えです。ここは岩国寿司発祥のお店だそうです。
岩国寿司というのは、僕らがさっき行ってきた岩国城にいる吉川家のお殿様に届けるためのもので、ジャンル的には押し寿司だと思います。
お店の方が大勢で出迎えてくれて、2階の広間に案内されます。

広間は長い机がA、B列の2列並べられ、一番奥にkolmeのお三方が並びます。その反対側にはステージ?があって、こちらで岩国寿司の製造過程の実演が行われました。
店主の方によると、岩国寿司は本来大きなマスの中に2段に詰め込んで作られるものだそうで、ギュッと詰めた寿司を枠から抜くために足で踏み抜いて作るのだそうです。江戸時代には殿様の食べるものを、町人が足で踏むのはどうか、という話があったそうなのですが、岩国寿司に関する限り不問、ということになっていたそうです。
枠から抜いた寿司を長い包丁(日本刀?)で切り分けたものが我々に振る舞われ、ようやく昼食の時間です。天気が良かったので、参加者一同に「ビール!ビールが飲みたい!」という空気が充満しています。だが、注文していいものかどうかわからない。もやっとした空気が漂いましたが、それを打ち払ったのは香美さんでした。
こ「あの、ビールいただけますか?」
み「わたしもビール飲みたい!」
参加者も笑顔でビールを注文することができ、楽しい昼食が始まりました。
刺し身と岩国寿司、うどんという構成の昼食は、歩いたあとなのでひとしお美味しく感じました。冷たいものも飲んで、客席は一気にリラックスモードに。


食べ終わってぼんやりメンバーを眺めていると、門間さんがみどりさんにニヤニヤしながら話しかけています。
も「なんか、会場静かになっちゃってますよ。ちょっと、盛り上げたほうがいいんじゃないですか?」
み「は?」
も「いつもやってるじゃないですか、モノマネ10連発。」
み「ちょっと、何言ってるんですか?」
も「あの盛り上がるやつ、お願いしますよ」
ま「あれ、演者の方でしたか?ww」
み「何言ってるのかわからないw」
も「あれでもいいですよ、YY兄弟」
み「パクリじゃないですか」
ま「…完全オリジナルがあるんですか?」
も「そうだよ、そっちのほうがすごいよ。いいですよ、オリジナルでも」
み「お笑いじゃないですから!」

なんで門間さんが会場の空気を気にしてるのかな、と思っていたら、昼食後に唐突にジェスチャーゲーム大会が始まりました!
メンバー三人で戦って、勝つと賞品がもらえるそうです。
我々からは見えないノートパソコンの画面に問題が表示され、それをみてメンバーがジェスチャーで伝える、というスタイルです。

トップバッターは瑠海さんでした!勝たせたい!
夢中だったので問題は覚えてないのですが、最終的には瑠海さんは8問正解しました。(4問くらいは僕が当てたと思います。後方から聞こえた「なんでわかるんだ」の声が誇らしかったです。)
続いて美杜さん。去年もそうでしたが、美杜さんはジェスチャーの勘所がいいし、難しい問題の見切りが早いのです。美杜さんは12問正解でした。
さあ、ここで真打ち香美さんの登場です。
さすがの表現能力で正解を積み重ねて、結果発表に…。
結局香美さんも12問正解でドロー。美杜さんとのジャンケンの結果、香美さんに凱歌があがりました。
香美さんは地元山口の旭酒造さんの「獺祭」ミニボトルが贈られました。

そして次に、参加者向けの抽選会がありました。賞品は
・白蛇観音のお守り(kolmeサイン入り)
・土鈴(kolmeサイン入り)
湯田温泉の狐のお面(kolmeサイン入り、香美さん着用)
純米大吟醸「磨き三割九分」720ml(kolmeサイン入り)
という豪華おみやげがあたります。
抽選箱からくじを引くスタイルで、まずA列かB列かが呼ばれるのですが、あまりにもB列に当たりが偏るので、A列の我々は次第にぐったりしてきました。
み「いや、入ってるよ?A列もちゃんと入ってるからね?」
る「どんどんA列の元気がなくなってきちゃった」
こ「こういうのは運だからね、しょうがないよ!」

そしてそして、最後の撮影タイムがありました。
老舗の料理店の歴史ある大広間と、瑞々しいお三方の取り合わせが絶妙で、写真を撮っていて楽しかったです。

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三国家での撮影タイム

まだ結構フィルムがあったので、瑠海さんをたくさん撮りました。
でも、シャッターをきるたびに、少しづつこの旅が終りを迎えているのを実感してしまって、ちょっとづつ寂しくなります。
そうです、でも、何事にも終わりは来るのです。この楽しい時間を思い出に変えて、またあの地獄の戦場にもどらなくてはなりません。

広間の出口では、お三方がお見送りのために並んでくれています。
いよいよ、この旅もほんとうにおわりです。
こ「楽しかったね!」
ま「ありがとうございました。お誕生日に上げた獺祭ってもう飲みました?」
こ「ああ、あれはまだ!楽しみにしてるんだ!」
み「ありがとうー」
ま「こちらこそー!かわいい!」
み「イェイ!気をつけて帰ってね!」
ま「ありがとうございます」
る「まっこいさん、フィルム使い切れた?」
ま「何枚か余っちゃいました。けど、いっぱい撮れました。ありがとうございました」
る「いろいろ大変だと思うけど、頑張ってね」
ま「癒やしていただいたので、がんばれます」
きっと、全部使い切るより、ちょっとだけ残るほうがいい。余韻や、果たせなかった思いが、また会いたい気持ちになるんだよね、と思いました。

 

■旅の終わりに

三国家を出て、バスに乗ると、終わってしまった、としみじみと寂しくなりました。
楽しかった旅の記憶を最初からたどっていると、なんと、お三方がバスに乗り込んできます。
み「忘れ物取りに来ただけだからw」
そっかそっかと思っていると、
る「みなさん、今回はご参加いただいてほんとにありがとうございました。楽しい時間はほんとに一瞬で、私達も本当に楽しかったです。
でもね、ファンツアーは次回がもう決まっています」
えええええええええええええ?!
る「12/21、22日に、今度は関東でやろうと思っているので、予定は空けといてくださいね。それでは、お家に帰るまでが修学旅行ですから。
みなさん気をつけて帰ってください」
み「ばいばーい」
こ「みんな気をつけてね」
「ありがとうー!」
「またねー!」
バスを降りていくお三方。

そしてバスのエンジンがかかります。シートベルトを締めていると、僕の側の窓の外に、kolmeさんやスタッフのみなさんが並んでいるのに気が付きました。
慌てて窓をあけるのと、バスが動き出すのが同時でした。
添乗員さんも門間さんも両手を大きく振っています。美杜さんも笑顔で手を振っています。
「ありがとうございましたー!!!」
手を振りながら叫ぶ僕は完全に泣き顔だったと思います。瑠海さんは、うんうん、と、ぼくの気持ちを受け止めながら手を降ってくれました。
香美さんが走ってバスを追いかけてくれるのを見て、涙がこぼれてしまいました。見えなくなるまで手を振り続けました…。

バスは走り続け、岩国のレトロな町並みと、錦帯橋や錦川を見ているうちに、僕の脳裏にはニュー・シネマ・パラダイスの愛のテーマが流れ始めました。
いくつもの隠されたキスシーンが流れるように(これは映画の話です)、旅のはじめからの楽しい、優しい記憶がとめどなく流れ出します。
また少しの間、僕はきっと大丈夫。今回の束の間の深呼吸のおかげで、もうちょっと頑張り続けることができると思います。
また冬の旅行に胸を貼って参加できるように、日々の暮らしをできるだけがんばろうと思います。
そう、あなたが言ったように、僕たちはその時できることを精一杯やるしかないのだから。

 

蛇足ですが、解散が16時頃だったので、20時の飛行機までずいぶん時間がありました。kolmeファンの皆さんとたっぷり余韻に浸ることができて、たいへん癒やされました。飛行機に乗ってもにかるかさんと連番してkolmeについてなかなか普段はできないお話をしたり、飛行機を降りてもみやっちさんやゆいくんと寂しい気持ちを分け合ったりできて、最高でした。みなさん、ほんとにありがとうございました。