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日常への帰還と新たな一歩・kolme Spice&Chillツアー

Kolmeさんのコンセプトツアー、Spice&Chillが無事完結しました。
1部が着席での歌唱メイン公演、2部が歌って踊るライブ公演という構成で、今までに見たことないkolmeさんをたくさん見られるライブツアーでした。

■Chill公演
新しいことずくめだったChill公演ですが、ざっくりいうと以下の点が新しいポイントだったかと思います。
1.着席での公演
2.全曲歌唱メインのリアレンジバージョン
3.メンバーのソロ曲(カバー曲)コーナーあり

1.着席での公演
舞台上に3脚の椅子が置かれ、下手から瑠海さん、美杜さん、香美さんの順に着席するスタイルでした。これまでのkolmeさんのワンマンというと、その圧倒的なスキルからどうしてもダンスに目が行きがちでしたが、今回の1部はそもそもダンスがありません。
でも、これが「踊らなくていい」という形で、ある種無意識にダンス中心の組み立てになっていた彼女たちのライブのリミッターが外れた気がしました。
例えば衣装ですが、1部の衣装は2パターンあって、
・パターン1
オフショルロングスカートの瑠海さん
胸元に大きなリボンの付いたパンツルックの美杜さん
紫色のシースルーのトップスにロングスカートの香美さん

・パターン2
白基調のワンピース(ロングスカート)のお三方

と、いずれも「踊れないから」という理由で避けてきたパターンを目にすることができました。それと、振り付けがないだけに、お三方のリズムのとり方、フィンガークラップ、表情や目線の交わし方など、細かい動きの端々からその瞬間の気持ちがよりわかりやすく伝わる気がして、ステージ上をより近く感じる公演だったと感じました。
あと、ライブの衣装じゃないけど、埼玉公演はハロウィン前日だったので、特典会がコスプレでした。この直前に行われていた瑠海さんのshowroomイベントでは、テーマを設定してお洋服を着たり、コスプレをしてくださったりしていましたが、なんというか最近の瑠海さんはストレートに可愛い服装をしてくださるようになったのでとても嬉しいです。埼玉公演では去年「香美ちゃんならでは」と言っていた悪魔コスチュームを着てくださいました(最初、美杜さんが着る予定だったけど、背丈的に合わなくて、美杜さんは忍者を着ることになったそうですが)。

2.全曲歌唱メインのリアレンジバージョン

↑全公演のセットリストをまとめました

今回新規にリアレンジバージョンが披露されたのは、
Falling for you
So Beautifully 
In my dream
My style
The liar
の5曲でした。これに仙台で披露済みのアコースティックバージョン
Hello  No Buddy
Precious
My everything
Repeat
の4曲を加えて、セットリストが構成されました。
1曲めのHello No Buddyとラスト2曲に披露済みの曲が配置されたことから、kolmeさんたちの緊張感を感じました。
Repeatのアコースティックアレンジは仙台で公開済みですが、アウトロの「This is my life」のコーラスはダンスアレンジでもほしいな、と思うくらいのハマり方だったので、もう一度聞けて嬉しかったです。西川口では「楽しくなっちゃった」瑠海さんが、ごく短いイントロにMCをいれようとしてやり直しになったり、集中してくると腕が蛇のようにうねりだしたりするのを見るのが最高でした。
Falling for youは、ビートの効いた原曲に対して、大きくゆったりとしたリズムにのっかることで、富永節のジャズっぽさがより強調されるアレンジとなりました。ブリッジの部分のスリリングな展開はこちらのアレンジになっても健在。顔を見合わせ息をあわせつつコーラスするkolmeさんの和声によって、原曲の違う側面が強調される感じでした。

So Beautifully は、3曲めの香美コーナーで、Preciousと入れ替わる形で、西川口と横浜、大阪で披露されました。(ツアーファイナルまで、Precious3回、So beautifully3回の披露回数だったので、ファイナルではKeep tryingとか来る?とか思ってたのですが、それはなかったですね)わりとPreciouの影に隠れがちなこの曲が、きっちり対等に扱われていたのが嬉しかったです。Stop!のところがかっこいいんだ。
In my dreamは、大きく虚ろな夢の空間に迷い込んでしまったような、ドラマチックかつ壮大なアレンジでした。ライブでは気づかなかったのですが、配信された音源を聞くと不穏な感じの電子音なども入っており、どういう解釈でアレンジされたのか、製作者コメントをききたくてたまりません。

 


My styleは、ピアノメインの伴奏になって、より富永美杜さんのMy styleという曲になったなーと思います。落ちサビのところ(わたしがせかーいーでーーーーー いちばーん のところ)を歌う瑠海さんが最高にかっこよくて、世界で一番だなー!!って思います。
The Liarはもうこれ立って踊ってもいいんじゃないかというナンバーで、ツアー後半にはいつもの箇所でクラップが入るようになりました。アウトロの所のフェイクがかっこいいので、もう原曲でもこれやって!という感じです。

余談ではありますが、ツアーの最中に開催されたMaakoさんLANAさんとのスリーマン「Make Happy!! 」では
The liar
Why Mr.?
Hello No Buddy
See you
Show me your love
My style
Repeat
と、chill公演で披露された曲がダンスありのバージョンで披露され、一旦ツアー慣れした脳みそがリセットされる試みがありました。
これのおかげで、ツアー終盤の3回を新鮮な気持ちで迎えられた気がします。


3.メンバーのソロ曲(カバー曲)コーナーあり
新宿公演(ツアー初日)だけソロ曲コーナーはありませんでしたが、
・香美さん 久保田利伸 『LA・LA・LA LOVE SONG  名古屋、横浜公演
・瑠海さん YUI Goodbye Days  西川口、新代田公演
・美杜さん ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi 仙台、大阪公演
の3曲が披露されました。
香美さん久保田グルーヴがばっちりハマっていてかっこよかったです。サビの歌い方を本家に寄せているとメンバーに冷やかされていましたが、Bメロの歌い方も本家を彷彿とさせるものでした。
瑠海さんは原曲キーでの歌唱に挑戦。美杜先生によると瑠海さんの音域よりやや高いそうなのですが、見事歌いきっておられました。
美杜さんは、夏に行われた仙台ワンマンでの「寄り酔い」に続いて和ぬかさんナンバーを。香美さんがややオーディエンスの世代に配慮してくださっているのが心苦しい私としては、先生が自分の好みを出してくれているのも嬉しかったです。
そしてメンバー三人による
・リルラ リルハ 木村カエラ 
もアコースティックカヴァーがありました。これもクラップで盛り上がる楽しいアレンジでした。

毎回chill公演は(着席なので)決まった位置にメンバーが居るのが新鮮で、メンバーのお三方との視線による会話が楽しめました。ダンスがあってもそれはそうなんですけど、じっと見られて歌われるとより距離が近く感じますね。
しかし、それにしても、配信されたIn my dreamを聴いていただければわかると思うのですが、特に美杜さんのヴォーカルに込められた豊かなニュアンスには驚かされました。自分で楽曲をアレンジすると、表現意図について自覚的にならざるを得ないと思うので、微妙な歌い分け、力の入れどころ抜きどころなど、これまで以上に表情を感じる歌唱だった気がします。
美杜さんはこのあと発表される新曲でもヴォーカルディレクションをしたそうなので、今回、正面から歌に取り組んだ成果が、今後の作品やパフォーマンスにも活かされそうで、とても楽しみです。


■Spice公演
ド頭が初公開の「Show me your love」で始まるSpice公演は、もう間違いないオールスタンディングかつダンスありのkolme本来のライブでした!
やっぱり楽しいですね!声こそ出せないものの、kolmeさんの歌とダンスを楽しみながら身体を動かすのはやはり別格。美しい腹部を大胆に露出した黒い衣装もkolmeさんの魅力をより強調しておりました。


・セットリスト
セットリストは初日からツアー最終日まで変更なしで、練りに練った曲順だったことが伺えます。
とはいえ、MCの順番や間隔は調整されていて、初日の東京にだけあった「Spiceゾーン」はこの日だけの見ものとなりました。
Wonderland
I like you
Real love
Same mistakes
の4曲を続けて繰り出す熱いゾーンでしたが、Same mistakesを終わった後のMCで、I like youのあざと女子に投票する、という流れだったので、
I like youの後に投票タイムが挿入される形になりました。
もちろんこれが合理的なのですが、Spiceゾーンの熱さも捨てがたかったなーと思います。
一部のアコースティックパートにThe LiarとかIn my dreamとかRepeatとかFalling for youとかが吸収されたおかげで、新鮮なセットリストになったのは、アコースティックパートの副産物という感じもします。


・あざと女子選手権
kolmeの中でも抜群にスゥイートなナンバー「I like you」を歌う際に、メンバー3人がそれぞれあざといアクションを挿入して、誰が一番あざとかったかを競う
イベントでした。まずね、最近あまりセットリストに入ることのなかったI like youを7公演も見られた、ということだけでも素晴らしいのに、
あざとアクションまで楽しめてしまうというスーパーお楽しみタイムでした!
僕はボイス特典会で、瑠海さんにこの曲の朗読をお願いして、以来ずっと欠かさず聴き続けている(朗読の方を)ので、瑠海さんへの基礎点数がやたら高いのでした。

ですが、初日(東京)は香美さんが貫禄を見せて優勝、名古屋では圧倒的な手数を見せつけて美杜さんが優勝、埼玉では
「東京が香美ちゃん、名古屋が美杜さん、ということは、皆さんわかってますね!」と圧をかけた瑠海さんが優勝、までは勝負の体をなしていましたが、「やりすぎるとうざいって言われる」と学習した美杜さんが横浜から3連勝を決め、最終日を待たずして勝負が決まってしまいました。
しかし、ツアーファイナルではお約束のジャンピングチャンスが導入され、最終日の東京公演では勝者に5ポイントが与えられることが決まりました。
る「初日のわたしへの拍手の少なさよ。数えられるくらいだったからね」
と後に述懐していた瑠海さんは、毎回技を増やしていました。仙台で投入された流し目にはびっくりしました。
ただ、細かい技では大きな得票につながらないと学習した瑠海さんは、最後の決めのところで両手でハートをつくる大技に出ました。追随する香美さん。「ずるくない?!」と抗議する美杜さん。そして最終日にみごと5ポイントを獲得した瑠海さんが、シリーズチャンピオンに輝きました。

でも、あざと女子(I like you)だけでなくて、すべての曲で、kolmeさんたちが今まで以上に楽しそうに見えて、物凄くテンションが上がるツアーでした。久しぶりのせいなのか、表現に磨きがかかったせいなのかはよくわからないのが我ながら残念ですが…。

あざと女子選手権優勝者による最高にあざとい優勝記念ソロチェキ

・最後の曲
コロナ禍のさなかに発表されたsee you、そしてPlaybackと、強力な2大候補がある中で、最後の曲がPrayerだったのは驚きでした。
「あなたの愛をもらって笑顔でいるよ」のところで、観客の一人ひとりに視線を配っていたkolmeさんたちを見て、その選曲の意図がよくわかりました。
もし遠く離れていても、いつも思っているよ、という最後の英語詞がひときわしみるエンディングでした。(See youが6曲目、Playbackが11曲めと、3部制のようなセットリストでもありました。)

・来場記念ポストカード
初回の東京公演を除いて、ミニアルバムを予約すると、美杜さんオリジナルイラストのポストカードとチェキ帳がもらえて、
どちらか好きな方にサインが貰えるレギュレーションでした。

新宿  プレイバック衣装(写真)
名古屋 お目覚めのkolmeさんたち
西川口 朝食を食べるkolmeさんたち
横浜  瑠海さんの洋服選びにつきあうお二人
仙台      怖い映画を見るkolmeさんたち
大阪      バスタイムのkolmeさんたち
新代田 0時過ぎのkolmeさんたち

(これは大阪公演のもの)

そしてまた1日がはじまり、kolmeさんたちの活動がずっと続いていくといいなあ、と思う可愛い絵柄でした。アレンジに、ステージに、イラストに、美杜先生は本当に大変だったと思います。お疲れさまでした。

・日常への帰還と新たな一歩
スタンディングでのライブや、対面でお話できる特典会、一日2回公演など、これまで当たり前だったものが突然失われて1年半以上が経過して、ようやく、こうしたものを再び味わうことができたこと、そして無事にツアーが終わったことを、今は素直に喜びたいと思います。そしてその副産物というのもなんですが、この間の期間、ひたすら個人的な会話や他のコンテンツについての会話を積み重ねていたので、以前よりもずっとお三方を近く感じるようになっているし、これまでのどの時よりもお三方のことが好きだし、こういう時間を貴重だと感じるようになっていました。
そしてそれだけではなく、1部では新しいヴォーカル表現、2部ではより表情豊かなパフォーマンスと、kolmeさんたちが新しい挑戦をしてくれたおかげで、ただ元の場所に帰ってくるだけではなく、さらに一歩も二歩も先に進めているような気がします。もうじき7周年の記念日を迎えるkolmeさんたちが見せてくれる2022年に、大いに期待したいと思います。

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