あなたを見ているときだけ世界は完璧だ

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The liarって誰のこと? kolme連続リリース第二弾

■曲の感想
淋しげなイントロに乗ってくるノイズは、降り出した雨の音でしょうか、車が跳ね上げる水しぶきの音でしょうか。
あ、もう時間、とピアノに載せて無造作に始まる香美さんラップ。気だるげな瑠海さんパートにすっと入ってくる美杜さんのクールな声。
Bメロでサスペンス感を盛り上げた後のI want you to tell me you love meのところの浮遊感。足場を蹴ってジャンプした瞬間スーパースローになる場面を見ているかのようです。そしてI can’t hate you,my loveの絶妙なタメ。
そこから、奈落に続く細い一本道を全力疾走するようなスリリングなサビ。トップスピードがそれほど高いわけではないのに、要所での溜めが効いているので非常にスピードとスリルが強調される、スリリングな展開だと思います。

構造的には、Aメロ前とBメロ後にラップパートが配されてるのが、この曲の異形な感じを強めていて、そこも好きです。サビまでに展開が4つある感じになって、J-Pop的な構造が見えにくいのがいいと思います。初めて聴いた時は、その違和感に強く惹かれました。

「飲み干した恋なら」で始まるブリッジ部分の展開もガッと視界がひらける感じでカッコいいです。横羽線からレインボーブリッジ方向に曲がりこんでいくときみたい(大丈夫かお前)。
「二人同じ嘘のはて」のところの瑠海さんの高音もあってテンションがグイッと上がるところで、もう一回I want you to tell me you love meで深く深くかがみ込んだ後、さらに落ちサビで溜める!
ここで裏クラップをさらに煽りつつ一気にトップスピードへ!
とまあ、ジェットコースターみたいな曲だなーと思います。大好きです。

 

■歌詞について
思い合っているのに付き合わない二人、というのは特大の釣り針ですよね…。
僕たちはアイドルとヲタクだから、関係性を壊さないためには付き合うことはできないわけじゃないですか(完全にキマった目で)。
でも好きだからしょうがなく、えーそれって僕/私のことなんじゃないのーと、The liarという「見え透いた罠」に食いつかざるを得ないのです。
いやはや、「The liar」ってアイドルという職業そのもののことなんじゃないの?とか思ってしまいます。

それと、「飲み干した恋ならこのまま捨てれば楽なのに」という歌詞がポイントで、これはWhy not meの

伝えれば消えるなら
伝えないままでいいよ
もういっそ他の誰かにしちゃえば
楽なのに

という歌詞に連結します。Why not meの主人公も、ラストに「なにもない世界で」とまで言い切るくせに、どこか恋に身をまかせることに逡巡している節が見受けられますが、The liarの主人公も同じようなことを言う。
現在の関係性を保つために恋を発展させないと言い切る半面、繰り返される
「I want you to tell me you love me」
が効いていて、言うほど恋に対して自由になれない様子が伺えます。
そりゃそうだ、恋なんて事故みたいなもんで、気がついたらどうしようもなくなってるものなのだから(ガクガク頷きつつ)。

つまり、Hello No Buddyで恋にあこがれていた主人公が、Why not meで好きになっては行けない人を好きになり、その人と思い合いつつも関係性を発展させることに躊躇している、という連続性があるのです。Hello No Buddy三部作なのです(まだ言ってる)。来月リリースの曲のテーマがますます気になってまいります。きっと四部作です(うるさい)。

さらに邪推すれば、Confessionも男性に告白させようとする女性の歌ですが、
「I want you to tell me you love me」
がハブになってここともつながりを感じます。曲解説では「曲に合わせて強めの女性を描きたかった」とか言ってましたが、こうなってくるとどうも怪しい。これは単に美杜さんの本音または憧れなのではないかという気がします。
お互いに無関心を装いつつ、どっちがどのくらい惚れてるのかのチキンレースをするような関係性に惹かれるタイプなんじゃないかと…。
(僕みたいにしゅきしゅき言ってる人は対象になれなさそうですw)

 

■まとめ
癖になる展開、ひねくれたテーマ。なんというか、天才・富永美杜さんが次の段階を切り開くキーポイントになりそうな曲だと思います。
配信が始まった夜、テンションが上って意味もなくドライブしながらカーステレオで聴いていると、周りの車とカーチェイスしている気分になる大変ヤバい作用がありました。用法用量をまもってご使用ください。

 

Hello No Buddy-Yunomi remix

■曲の感想
いやしかし、これまたすごいの来ましたね。別の曲度でいうと、これが一番かもしれないです。
大団円感、というか、映画のエンドロール感があって、僕の妄想の中では、背後の大爆発に目もくれず歩みさるkolmeのお三方の脇でスタッフロールが流れております。
原曲では、天才・富永美杜先生が「かすかな希望をこめた」と仰っておられましたが、その希望側にフォーカスされるとこうなる、というような。Yunomiさんからのエールなのかも知れません。
また、アウトロのWhatever感も、どんなふうにだってなれる!なれるよ!って言う感じが一層盛り上がります。
ひょっとして、これがHello No Buddy三部作(まだ言ってる)のエンディングテーマで、来月の配信曲はまったくの新展開だったり…

 

来月もまた新しいHello No Buddyを聞くことができたりするのでしょうかひょっとして。これでさまざまなミュージシャンの皆様とのご縁が広がるといいなあと思います。