2024年12月15日、板橋ファイト!で瑠海さんのソロコンサート、AKIMOTO RUUNA SOLO LIVE 〜スナック秋元〜が開催されました。風もなく穏やかな冬の日で、会場の向かいにある板橋駅前広場には暖かい日差しが差していました。僕は開場の45分くらい前に会場に行ったのですが、入り口の写真を撮ろうと建物に近づくと、中から瑠海さんの最終リハーサルの声が聞こえてきました。最後の最後までクオリティを上げようと頑張るところが、瑠海さんだなあと感じて、嬉しくてニヤニヤしてしまいました。
5分遅れで開場です。板橋ファイト!は30名程度のキャパの会場ですが、客席は段になっていて、比較的見やすい会場ではないかと思います。客入れBGMは瑠海さんの選曲で、「気まぐれロマンティック」「明日、春がきたら」など、showroom版スナック秋元で」瑠海さんが歌った曲や、中山美穂さんの「ただ泣きたくなるの」などが流れていました。
ステージ部分にはPAやモニタースピーカー、照明器具などが配され、ちょうど演者さんの背中側の位置にはアップライトピアノが置かれ、大きなリースが。その下手側には電飾付きのクリスマスツリーが置かれていて、ちょっと厳粛な雰囲気です。
客入れBGMのボリュームが上がって、いよいよ瑠海さんの入場です。
チケット完売のお客様の拍手に迎えられて入場してくる瑠海さんはグレーのロングのワンピースに黒のハイヒール。ワンピースはノースリーブで、スカートにはスリットが入っており、瑠海さんの魅力をフルに引き出す衣装です。シルバーのチョーカー、シルバーの輪が編まれたブレスレット、小さなパールの粒が連なるピアスなどなど、しっとりと、でも華やかな装いです。
やや緊張した面持ちの瑠海さんの来場者挨拶の後、前日にshowroomで予告されていた最初の曲「夏の扉(松田聖子)に行こうとしますが、オケが鳴りません。すかさず、「瑠海!」コールの練習に切り替えて繋ぎつつ、客席をほぐす瑠海さん。このあたりはさすがと言ったところです。コール練習が終わると、今度はイントロが流れて「夏の扉」がスタートです。
今回の瑠海さんのライブのトラックは、全て美杜さんがアレンジしたものでした。夏の扉は天才的としか言いようのない瑞々しいエネルギーが炸裂するようなイントロが印象的な曲ですが、その印象を殺さず、瑠海さん用にアレンジされていて、何の違和感もなく歌に集中することができました。showroomでは150を越える楽曲を歌ってきた瑠海さん、その中でも「夏の扉」は定番曲で、さらにソロコンサートに向けて磨き上げられていて、ソロコンサートの冒頭を華やかに盛り上げました。
続いて聞こえてきたイントロはSpice&chillツアーでは香美さんのソロ曲だった「LA・LA・LA LOVESONG(久保田利伸 with ナオミ・キャンベル)」です。クリスマス装飾の会場の雰囲気と、瑠海さんの大人な装いとの相乗効果で、白昼の板橋がイルミネーションの街並みに変わりました。
それに続いては、showroomでの歌唱で、「瑠海さんの声質にピッタリ」と評判の良かったスピッツの「楓」でした。配信で聞いてもすごく良かったのですが、生で聴く楓は別物でした。音響の良さももちろんなのですが、瑠海さんがたくさん練習して磨き上げてきたことが推察されました。
ここで、ライブのコンセプトが語られました。その説明をするうちに、徐々にこれまでの歌手生活が語られることに。
・セットリストや構成を考える中で、これまでの17年の歌手生活を凝縮したものにしたかった
・元々は小学校中学年頃に両親の仕事の都合で東京に住んでいた頃、ダンスの習い事としてエイベックスアカデミーに通っていたこと
・仙台に帰ったあと、ダンスの習い事を続けるつもりで事務所に行ったら、ちょうどよく似た背格好のメンバーがやめたグループの交代要員として、あっという間にグループに組み込まれ、翌週までにダンスを覚えてくるように言われたこと
・練習生の時期を経ずに、ずっとメンバーとして活躍していたこと
・この頃は特に歌を求められることはなく、ダンスメンバーとして参加していたこと。
・ドロシーリトルハッピーに入った時も、最初はマイクは持たず、ダンスメンバーとして参加していたこと
・自分には突出した長所が何もないので、誰かに何かがあったときに変わりができるように、全部を頑張ろうと思っていたこと
・ドロシーのワンマンライブの時に、メンバーのマイク入力レベルを見ていたスタッフの方に、自分の持ちパート以外もずっと歌い続けていることに気づいてもらったこと。それによって、体力、肺活量など、歌い手として求められる脂質を認めてもらったこと
・徐々に歌割りが増え、認められる喜びと、歌う喜びを感じたこと
語るうちに、瑠海さんの目から流れ落ちる涙が止まりません。
「こんな序盤から泣く予定じゃなかったのに」と嘆く瑠海さん。でもこんないい話、泣くのも無理はないです。
このMCの流れからの曲振り、当然ドロシー曲が来ると思うじゃないですか。
る「kolmeのツアーの中のソロコーナー、スナック秋元で初めて歌った曲です「接吻」」
接吻かー!!だがそれもいい!!だけど僕の覚えている限り、最初のスナック秋元は「ルビーの指輪」で接吻は2番目だったはず!などと混乱していると、流れてきたイントロは「ルビーの指輪」。
おおおお?!とさらに混乱していると、普通に「ルビーの指輪」を歌い切る瑠海さん。瑠海さんの声は中低音も魅力的なので、この曲もとてもいい。
る「びっくりしたね?!」
一番びっくりしたのは瑠海さんだったと思いますが、見事なアジャストぶりでした。
る「接吻、出せます?」
PA担当「出せます!」
ということで、今度こそ「接吻」です。この曲はちょっとだけkolmeファンクラブに動画が上がっているので、ご覧になりたい方は是非。ネットサインイベントで音源が景品になったこともあり、瑠海ファンとしては外せない一曲です。
ここで、本日のスペシャルゲスト登場。
スペシャルゲストが全ての音源を手掛けているライブもなかなかないと思います。
み「このライブはsupported by MIMORIだから。私スポンサーよ」
美杜さんもグレーのワンピースですが、こちらはミニ。黒のニーハイブーツが素敵です。
最初のMCでいきなり泣き出した瑠海さんをハラハラしながら見ていたという美杜さんは、ドロシー時代の瑠海さんのメンバーカラーである紫のキンブレを持って登場です。
ここから二人のこれまでの足跡の話に。
・瑠海さんがデビューした後、美杜さんが同じ事務所に。
・最初は練習生だった美杜さんと、瑠海さんはレッスンの帰り道、励まし合う関係
・手紙のやり取りなどもしていた
・初めて瑠海さんがメインボーカルをとった「恋は走り出した」のソロパート歌唱を聞いて、美杜さんは「歌は瑠海さんに任せられる」と思ったそう
こんな話をしていれば、また瑠海さんが泣いてしまいます。でも、これまでドロシー時代に考えていたこと、思っていたことを具体的に言葉にすることがほとんどなかった瑠海さんだけに、思いの大きさが推しはかられます。
話はつきませんがこの辺で歌に行こうということで、美杜さんのキンブレが一番上手最前列にいたお客さんに手渡されます。
み「持ってて」
kolmeの曲も歌うと聞いていたので、時期的にもテーマ的にも「Remind me」あたりかなと思っていたのですが、「You'll be fine」がこの次の曲でした。このトークの流れからするとこれしかない、という選曲ですね。アコースティックアレンジされていて、ウッドベースのラインがカッコよかったです。「季節の音が変わる頃に 気づかないまま手にしてる」という歌詞が、こんなにふさわしい場もないでしょう。これは美杜さん作詞の曲ですが、この10年を分かち合ってきたkolme3人、思いは同じなんだろうなと思いました。
そしてついにきました、「恋は走り出した」。美杜さん風味のピアノアレンジがたっぷり施された、アコースティック版です。美杜さんが弾くジャズピアノは、彼女が気まぐれに深夜に配信していた時期があり、これを聴くと深夜にものを思うテンションになってしまいます。また、グラスを弾くような音色で奏でられる旋律が、クリスマスも感じさせます。
セトリを考え始めた時には、瑠海さん的にはこの曲を歌うという発想はなかったそう。美杜さんの提案だったそうですが、瑠海さんは提案された時、「全く抵抗がなかった」と語っていました。そう言いながら、この曲をステージで歌うということ自体が、彼女にとって大きな節目だったのは間違いないと思います。
さあ、このライブもいよいよ大詰めです。
やっぱりグループでステージに上がるライブが好き、と笑う瑠海さん。でも、スタッフさんや美杜さんはこのライブのタイトルを「RUUNA 1st SOLO LIVE」と書いていたそう。緊張しちゃうからすぐにではないけど、国家試験が終わったらまたやりたいと、語ってくれました。
最後の曲は「PIECE OF MY WISH」でした。
今日のメッセージは全て、この曲の歌詞に凝縮されている気がします。
「愛する人や友達が勇気づけてくれるよ そんな言葉抱きしめながら だけど最後の答えは一人で見つけるのね」とかめっちゃ瑠海さんですよね。おしゃべりで寂しがり、でも誰も寄せ付けない存在の核をしっかり抱いている瑠海さん。その強さと潔さを僕は何よりも美しいと思います。
全ての曲が終わり、聴衆に深く長いお辞儀をする瑠海さんの姿を僕は忘れないでいたいと思います。
この後特典会がありました。
物販のグッズは
・美杜さんイラストTシャツ
・ポストカード
・スナック秋元タオル
・瑠海さん生写真 ランダムでサイン入り 全10種類
でした。
特典会メニューは
・握手 2枚
・ソロチェキ/スマホ 2枚
・2shotチェキ/スマホ 3枚
思いが溢れるトークでライブが30分押してしまい、特典会はちょっと巻きの進行になりましたが、るうまにあ達の協力により、退出時間の5分前に終了となりました。美杜さんは、物販担当、チェキやスマホ撮影のカメラ担当、握手の剥がしと大活躍。特に剥がしでは容赦ない剥がしが印象的でした。
この進行短縮によって、瑠海さんによるアフタートークまで聞けて、瑠海さんの1stソロライブは終わりを迎えました。
この記念すべき場に立ち会うことができて本当によかった。まもなく29日にはkolmeの10周年ライブがあります。こちらもますます楽しみです。
蛇足
まだソロライブに現実味の薄かった2022年の10月11日、瑠海さんとチェキチャで「ソロコンサートをやるならどんなふうにしたいか」を話したことがありました。
る「立っては歌わないかも。うふふ」
ま「着席な感じなんですね。演奏はバンドですか?」
る「洋平さん(rumbさん)とやりたいな。あと、ryotaさんにアコギを弾いてほしい」
ま「あ、めっちゃteam kolmeですね」
る「よく知ってる人に囲まれて、アットホームな感じでやりたいな」
ま「で、好きな歌をrumbさんにアレンジしてもらう感じ?
る「うんうんうん。あでもMIMORIさんがアレンジしてくれたら嬉しいな。」
ま「会場はどんな感じですか?」
る「広いって言うよりはこじんまりがいいな。あはは。仙台のバックページみたいな。「魅せる」って気負うよりは、ありのままな感じでやりたいな。ですかねw」
ま「いいですねー。いつか実現するのを祈っております。」
る「ねー。今、配信でいろんな歌歌ってるし」
ま「そうそう、聴いてると夢見ちゃいます」
る「ねー。頑張ります。」
こうやって見直してみると、出演者以外は概ね最初のイメージ通りでしたね。瑠海さんの記憶力と一貫性は本当にすごいです。
ということは、2ndソロライブではrumbさんやryotaさんとの共演があるかもしれませんね。