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三人祭り PefumeとNegicco (長文)

Pefumeの三人祭りにNegiccoが出演しました。これをダシに、だらだら自分語りをします。長いうえに内容ないです。僕のblogなんで諦めてください。


僕が Perfumeを好きになったのは2007年のことでした。
勤務している会社がニコニコ動画の成立に関わっていた関係で、半ば義務感からニコニコ動画を見ておりました。その中で、アイマスMADに使われていたパーフェクトスター・パーフェクトスタイルに持っていかれてcomplete bestやFan service sweetを買ったという入り方で、主に楽曲きっかけでのファンでした。その後、ライブやラジオで三人の人柄と関係性に触れるたびに惹かれていきました。やがて僕は「こんなまじめで誠実で魅力的な人たちが幸せになれない世の中なんて嫌だ」と思うようになります。
それ以降、ご存知のように、Perfumeは奇跡といわれるほどの大ブレイクを遂げ、2012年にはついに世界進出します。


Perfumeを追いかける過程で「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」を聴くようになっていた僕は、2011年にその番組で、吉田豪さんによる地下アイドルのコンピレーションCDの発売を記念する特集が組まれ、そこで初めて「圧倒的なスタイル」を聴きます。早速そのCDを入手してさんざん聴きましたが、中でも「圧倒的なスタイル」は突出していました。もっと俺にNegiccoさんを聴かせろ!と思ってitunes storeを漁ったところ、「My beautiful life」が配信されていました。これもまた、大変カッコイイ。これにより、「Negicco音源買うべし」という意識が確定しました。


それからは新譜が出たら買う、という状態ではあったのですが、現場に行ってみたい、という意識はありませんでした。曲が好きなだけで、人を知りませんでした。それで十分なくらい曲がよかった、といういい方もできると思います。
そうでなくなるきっかけになったのは2013年の「アイドルばかり聴かないで」でした。接触商法を皮肉ったような歌詞が強烈でこれまでになく興味をそそられました。たまたま職場の近くでインストアイベントがあったので、「ファンはこれをどんな顔して聴くんだろう?」という野次馬根性で覗きに行きました。
現場ではちょうどリハーサルが始まるところで、すごく感じのいい礼儀正しい女の子たちがもじもじとステージに現れ、常連と思われるファンの人(掟さんとかいた)に挨拶したりなんかしていて、なんというか、芸能人が一般人に対している感覚がまるでなくて、単に人間と人間が対面している感じが新鮮でした。でも、曲がかかると全然違うんです。躍動する彼女たちはスイッチが入ったようにアイドルになって、とても大きく見えました。この時にやられていたのだと思います。
そんな女の子たちが歌うのだから、「アイばか」も全然攻撃的に聞こえません。しかも、この曲の歌詞は全体を通して聴くと、「付き合っている彼氏が他のアイドルのCDを積んでばかりいるので、Negiccoが嫉妬している」という強烈なデレ歌詞なのです。言うまでもなく、彼氏=聴衆ですから、そりゃ誰も怒る人はいません。結局、野次馬として見に行った僕自身がCDを積んで、アイドルと握手して、「まだ手がいいにおいだよー」とかニヤニヤしながら帰ってくるはめになったのでした。


その時に、吉田豪さんによるNegiccoのロングインタビューをはじめて読みました。
http://tower.jp/article/interview/2012/01/11/b196-negicco
これは2012年のものなので、僕はほんとに曲しか聞いてなかったんだなーと思います。で、この中でMeguさんが「(ブレイクしているPerfumeさんが)正直うらやましかった」って言ってるのを読んで結構ショックだったのです。
僕も人気商売の端くれではあるので、同期や後輩がガーンと売れた時の、置いていかれる感じというのはよくわかります。一生懸命やってればやってるほど、惨めな感じがするもんです。で、「こんな素敵な人たちがそんな思いをしてたのか」「俺はPerfumeももクロ(そっちも行ってました)にうつつを抜かしてろくにNegiccoを知ろうともせずになにやってんだ」と非常な罪の意識を感じたのです。まあ、僕ごときが何をしようと大勢に影響あるわけじゃないんですが、まあ、可能な範囲で友人を巻き込んだりなんかして、応援していこうと心に決めたのはこの時でした。


その後のNegiccoさんの活躍については、他にもっと詳しいまとめなどを読んでいただくとして、とにかく、運営さんとNegiccoさん、そしてネギ界隈の皆さんは何度も壁にぶつかりつつも、オリコンウィークリー5位、野音でのライブ成功などなど、実績を積み重ねてきたのです。日本武道館でライブをしたい、という彼女たちの夢も、まんざら夢とは言えないところまで、彼女たちは何とか上り詰めてきたのです。



そこにきての、今回のこの三人祭りの話は、割と複雑に響きました。
人間には「施したい欲」というのが結構あって、それは僕にもある。ムスメにいろいろ買い与えたり、妻にプレゼントしたり、好きな人が喜んでくれれば全部よし。そういう気持ちを悪いものだとは言えないと思います。
でも、軽くプレゼントしちゃいけないものもあると思うのです。例えば、ムスメが「お小遣いためて、中古の3DS買おう!」と決めて、一生懸命貯金していたら、例え僕に小遣いの余裕があっても、彼女に新型3DSを買い与えたりしないと思う。それは大事な人の決意を無にしてしまうところがあると思うから。
三人祭りの件は正直そういう印象もありました。「武道館でライブをするNegiccoを見る」というのはいつしか僕の夢にもなっていたので、初の武道館ライブは彼女たちの実力で成し遂げてほしい、と思いました。


一方で、Perfumeに対する信頼もありました。Perfumeは今のようであるために、意識的に苦労時代を繰り返し思い出したり話したりして、自分たちの足場にしようとしているように思います。特にあ~ちゃんはNegiccoだけではなく、がんばっているけど不遇なアイドル達に強烈なシンパシーを持っている。それはMJでの再会の時に十分に発揮されていました。
だからきっと、今回のこの扱いは、Perfumeが苦労時代に「こんな風にしてもらえたらいいのになー」と思っていた扱いに違いないとも思いました。「初武道館」についての単純な感傷は別にして、1万人の、似た心的傾向を持つファンの前での公演はものすごいチャンスだし、呼んでくれたPerfumeが愛情込めてファンに紹介してくれたらなおさらです。

だから、「Negiccoさん的にはそれでいいのかな?」というのと「わーそれすごくいいなー!」という両方の気持ちでぐらぐらしました。ぐらぐらしたけど、「単に武道館でライブする」ということと、「武道館で単独ライブを成功させる」ということは天と地ほど違う、という考えに行きつきました。その道を通ってきているあのPerfumeが、単なる自己満足でNegiccoに施しをするわけがないという信頼感もあります。
で、結局のところ、最終的には「PerfumeNegiccoの対バンは絶対に見逃せないでしょ」というごくごく原始的な結論に落ち着きました。まあ、僕にできる選択は現場に行くか行かないかくらいなことではあり、それは別に実際の三人祭りには何の影響もないのでどうでもいいことではあるんですけど、僕の主観世界的には結構大事なことだったのです。


長々と書いてきてようやくイベントの感想なんですけど、いろんな意味でPerfume側の、(僕の思い込みとしてはあ~ちゃんの)配慮を感じるイベントだったと思います。
トップバッターで3曲というのは、強く印象に残る配置でもあるし、分量的に、ファンにも、演者にも、初見で食いついたお客さんにも食い足りない量なので、「ぜんぜん満足できないでしょ?」というプロモーションになっているんじゃないかなーと思いました。食いつかなかったお客さんにとってもあっさり終わるので、悪い印象にはならないし。どう転んでもNegiccoが損しない位置を用意してもらえたんじゃないかと思います。今回のは映画の「特報」的なものになったと思います。

Negiccoさんたちのパフォーマンスも、動きから気合と緊張感が伝わってきてよかったです。踊りながらの生歌とハーモニーはPerfumeとは別の方向性なので、そのスキルを披露できたこと自体もよかった。
そして、PerfumeNegiccoのラインダンスですよ。夢に見ていた瞬間が現実になって、ちょっとパニックになりました。かつてブレイク前に同じステージに立った二組が、数限りない戦場を生き抜いて武道館のステージ上で再会し、肩を組み、手をつないで歌い踊っている。「圧倒的なスタイル」という曲の歌詞をよく読んでみると、この歌は、物事を諦めずに継続する人への応援歌なのです。まさに、諦めなかった二組のための歌。それはもう記念すべき瞬間としか言いようがありません。


MCではやはりここはあ~ちゃんが担当してくれて、まずそれ自体が嬉しかった。ネギの話が多かったけど、初見の人は「なんでネギ?」と思うだろうし、必要なことだったと思います。さらし者にしない範囲で笑いにしながら、愛情を示してくれたと思うし、そこは、「やっぱあ~ちゃんだな!」と思いました。
そこでNao☆ちゃんに舞い降りた「しょうゆ醤油」発言はまさに奇跡としかいいようがなく、彼女の持っている強い運命を感じました。


フィナーレのPuppy loveでも、NegiccoさんはPerfumeと並んでセンターにいて、胸が熱くなりました。上下上上をNegiccoとやれる日がくるとはこの瞬間まで思っていませんでした。
まあだいたい、Puppy love終わりのPerfumeのライブも結構久しぶりだったので、それですでにグッと来てはいたのですが、9nineとの対バンでもこれやってたよね、と思うと、NegiccoPerfumeの妹分のように思ってくれているのかな、とか余計なことを考えてさらに自爆しておりました。


見終えたあとでいうと、両方のファンとしては見たかったものが見られて、しかも未来につながるイベントだったんだなあと思います。久しぶりの武道館はやっぱりとても大きかった。そこでの単独ライブを成功させるというのは、やはり大変なことです。
でも、三人祭りを通じて、Negiccoさんはまた一つその階段を上がれたのではないかと思います。で、そこに導いてくれたのがPerfumeだというのは、最高という以外の言葉が見つからないです。きっと、この先何度もこのイベントのことを思い出すと思います。