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食べたい!富永さんちのはらこめし

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どうにか完成したはらこめし

富永さんちの子に生まれていれば、帰郷するとはらこめしが食べられたのに。
近所のあきもっちゃん家にあそびに行ったり来たりできたのに!!なんで僕は生まれてくる時期を25年も間違えた上に、間違った家に生まれてしまったんだ!!この誤りを正すには、誤った肉体から正していくしかありません。正しい肉体を手に入れるには、正しい食物、つまり、推しと同じ食物を摂取していくしかありません。
幸い、優しい富永先生は、ご実家のはらこめしレシピを公開してくださっています。これを再現して食べれば、肉体の組成を改善し、やがては富永さんちの子になれるかもしれません。誰ですか、なれてもお父さんだとか言ってる人は。そういう夢のない話、先生嫌いです(いつのまにか教師ヅラ)。がんばったら富水さんくらいにはなれるかもしれないじゃないですか。富氷さんとか(誰だよ)。つーかまあ、どんな味か興味あるじゃん?食べたいじゃん?ということで、blogの公開から一年が経って再びはらこめしのハイシーズンがやってきた今、再現に挑戦することにしました!

■仕込み
①漬け汁を作る
富永文書には「醤油、酒、みりん、生姜汁を合わせたタレに一晩付けておく。」とあります。あるんですが、分量が書いてないので困ります。なので今回は、他のレシピをカンニングして、
醤油 大さじ4
酒  大さじ2
みりん 中さじ1
と生姜汁少々でいってみます。で、火にかけていっぺん煮立たせてアルコールを飛ばします。


筋子をバラす
スーパーで買ってきた筋子をバラします。これには、富永先生も書いてくださってるように、60度から70度のお湯の中で、薄皮を外す作業です。って、60度ってなかなかの温度ですよ?熱湯コマーシャルだって50度位ですよ?生の食品ぶっこんで大丈夫?茹でいくらになっちゃわない?って思うじゃないですか。意外と大丈夫です。ただ、あちいので注意が必要です。あとね、これ、親指の腹でそっと薄皮から外そうとするんですけど、どっちかというと、薄皮が温度で溶けて徐々にほぐれる感じなんですね。なので、お湯が赤く濁って地獄みたいな感じになります。
なので、米を研ぐ時みたいに、何度か上澄みをすてて差し湯をする必要があるんです。なので、お湯は余分に2倍位必要です。ここ注意ポイントです。水に浮いてる小さな薄皮を、ザーッと流して捨てる。これをなんどかやりつつ、いくらに残っちゃってる薄皮を丁寧に剥がします。そしてザルにとって、醤油で洗って仕上げです。この時点でもううまそう。

③いくらを漬ける
どんぶりにいくらを入れ、①の汁をぶっかければこの工程終わりです。っていうかね、この時点でビジュアルの説得力がすごい。美味しそう。懸念としては、ややしょっぱいんじゃないか、という気がします。こういうとき、僕がよくやるのは醤油をめんつゆに置き換える作戦ですが、今回は富永さんちの味を味わうのが目的なので愚直に行きます。



④鮭を切る
まずは秋鮭を一口大にそぎ切りにします。っていうか、この時点でわさび醤油で食いたい。っていうか一切れ食った。うまかったです(終了)。いやだめ、終わっちゃダメ。これは煮汁をとるための素材なので、素材食いはダメです。

⑤鮭を煮る汁を作る
さて、ここで問題があります。富永文書には「生シャケを一口大に削いで砂糖、醤油、酒、みりんと、生姜を入れて煮る。」とあるのですが、ここにも分量がありません。
なので、適当にカンニングします。
醤油 大さじ3
みりん 大さじ3
酒 大さじ1
生姜 少々
でね、カンニングしたレシピには、砂糖を入れると書いてある。これはね、いくらもしょっぱい疑惑があるし、コクも出そうなので入れたほうがいいと僕の勘は告げています。でもレシピには書いてない。うーん、うーん、と迷っているうちに大さじ1の砂糖を誤って投入してしまいました。いやね、決して富永先生が忘れてるとか思ったわけじゃないんですよ。間違っちゃった。わざとじゃない。事故事故。
それとね、ここまで来て思うことは、この調味料の量では3合のコメを炊くための水分としては絶対足りない、ということなのです。他のレシピを見ると、足りない分は水を足しましょうとか豪快なことが書いてある。薄くなるじゃん!せっかく煮汁とるのに!なので、独自判断で出し汁を300CC加えます。この量じゃおこわにもならないし、水足すのも変なもの足すのも逸脱が激しすぎるじゃないですか。しょうがない。これくらいはしょうがない。事件は会議室で起きてるんじゃない、厨房で起きてるんだ(美杜先生のお父さん世代のギャグ)(そしてギャグではない)。

⑥鮭を煮る
「納屋を焼く」みたいな見出しになりましたね(どうでもいい)。煮込み時間はどれくらいがいいのか、いろいろ検索してみます。どうやら7分がいいっぽいです。煮過ぎると固くなるとも書いてあります。まあ、とりあえず煮てみると、煮立つにつれてものすごく泡立ちます。砂糖?砂糖のせい?だからやめろと言ったんだ!(部下に責任を転嫁するスタイル)(だが部下がいない一人部署スタイル)まあ、いいんじゃね、いい匂いだし。
ちなみに、このときに鮭のアラも煮込むスタイルもあるようです。でも、富永文書には書いてないし、アラを使うと味わいが深くもなりますが、処理をミスると生臭くもなるので今回は使わないことにしました。皮は煮ます。


⑦米を三合炊く
ということで7分煮て、身を別のさらに取り出して、研いだ米に煮汁を注ぎます。
4人家族なのでこんなもんかなと。定量よりちょっと少なめにしておこわっぽく仕上げます。ということでタイマーセットしてあとは放置するだけなんですけど、炊飯段階で出汁の匂いがして大変食欲をそそられます。すごくうまそうなので蓋をあけて様子を見たくなりますが、赤子泣いても蓋とるな、ですからね。我慢我慢です。

■実食
どんぶりに炊き込みご飯を盛って、煮た鮭の身をちらし、その上からどばどばといくらをかけて完成です。言っても、筋子はまあまあお高いので、今回は4人で250gにしたんですけど、フツーには食べられるけどもっと豪勢にかけて食べたいな!って思いました。もう1本買っても良かったかも。そうすると筋子だけで3000円くらいになるので、これはまあ、ごちそうですね。お店で食べると1食2000円位みたいなので、自炊すれば2本使ってもだいぶお得ではありますが。



で、味なんですけど、まず、いくらが美味しいじゃないですか。口の中でぱちゅっと弾けると、いくらの旨味に混じって思った以上に出汁の味がダイレクトに感じられるので、いくらって料理なんだな、って思いました。今まで、筋子といくらの区別ってはっきりついてなかったけど、筋子は素材、いくらは料理ですね。
そして、炊き込みご飯が美味しい。固めに炊いたのも良かったです。香りと、米の甘みの奥にふわっと浮かんでくる鮭の旨味がもどかしくも美味しくて後を引く感じです。
これに、そのものズバリの鮭の身の味といくらを合流させて食べるわけで、それはね、旨くないわけ無いです。どのパーツも単体で美味しいもので、そもそも鮭由来なので相性も完璧です。合体させて食べると野太い旨味の塊をガツガツかきこんでる感じになります。実にうまい。また作りたい。でも材料費が結構高い。でも、難しい要素は特にないので、お祝いのときとかにえいっと投資して作ってみたらいいなーと思いました。

それと、仕込みに時間がかかるのが、お祝い向きだなって思います。きっと、みもりさんのお母さんは、「明日は美杜が帰ってくる!」とうきうきしながら仕込むんですよね。その嬉しい時間を、ひとしお味わうためのお料理としてもいいよね、って思います。…結局富永家の親御さんの気持ちになってしまいました…。お父さんの気持ちになってしまった…。残念です…。
恋人気分を味わいたい向きにはお勧めしません!!(まさかの結論)